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中國古代における軍事と儒教  新刊

中國古代における軍事と儒教

◎兵家の軍事思想を儒教との関わりの中で検討し、いかに具現化されたかを解明する!

著者 渡邉 義浩
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 殷周秦漢
東洋史(アジア) > 魏晋隋唐
中国思想・哲学
中国思想・哲学 > 先秦漢
中国思想・哲学 > 魏晋隋唐
出版年月日 2025/02/14
ISBN 9784762967573
判型・ページ数 A5・292ページ
定価 8,800円(本体8,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

序 章 中国古代における軍事思想研究の課題〔軍事思想と儒教/軍事思想と戦争/先行研究〕
第一章 『墨子』の非攻と『孟子』の義戦〔『墨子』の非攻/『孟子』の義戦/許容される戦争〕
第二章 『孫子』の定立とその特徴〔二人の孫子と二種の『孫子』/曹操の『孫子』定立と校勘/『孫子』の軍事思想の特徴〕
第三章 呉起・孫臏の兵法と儒家〔『呉子』と儒家/『孫臏兵法』の特徴/『孫臏兵法』の正当化論〕
第四章 王者の兵と兵法の理念化〔『孫子』への反論/王者の兵/王者の兵の継承/兵法の理念化〕
第五章 『春秋左氏伝』の軍事思想〔戦争の位置づけ/戦争の類型化/儒教に基づく戦い方〕
第六章 戦史集としての『春秋左氏伝』〔戦史集としての有用性/戦史集を典拠/兵法の受容〕
第七章 八陣の伝承〔「銀雀山漢簡」の「八陣」/『淮南子』にみえる「八陣」/後漢における「八陣」/騎兵を主力に〕
第八章 曹操の軍事思想〔魏武注『孫子』/本文からの逸脱と実践性/軍令と『兵書接要』〕
第九章 曹操の戦役と『孫子』〔官渡の戦いと『孫子』/赤壁の戦いと『孫子』/『孟徳新書』の由来〕
第十章 諸葛亮の軍事思想〔荊州学と『春秋左氏伝』/『孫子』と軍令/八陣と連弩〕
第十一章 八陣の行方〔諸葛亮「八陣」の伝承/『李衛公問対』と「八陣」/八卦の陣〕
終 章 中国古代における軍事思想の展開と儒教〔突出する『孫子』の兵法/『春秋左氏伝』の軍事的受容/魏武注と八陣〕
文献表/あとがき

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内容説明

【序章より】
 本書は、中国における軍事思想を儒教との関係、および戦争への思想の現れ方という二つの視座より検討する。 
 
具体的には、戦争否定の思想を代表する『墨子』の思想を『孟子』との比較の中で明らかにし、『孫子』の成立とその特徴を解明する。さらには『孫子』を継承する『呉子』と『孫臏兵法』の思想について儒家を軸として比較する。そして『荀子』と『淮南子』の軍事思想の共通性を探る。そのうえで、儒教を代表する『春秋左氏伝』の軍事思想と、『春秋左氏伝』の戦史集としての有用性を確認していく。
 また、軍事思想の戦争への現れ方としては、『孫臏兵法』に言及される「八陣」が、後漢「儒教国家」にどのように取り入れられているのかを明らかにしたのち、後漢末に『孫子』を定立した曹操の軍事思想を追究する。そのうえで、曹操の戦いに『孫子』はどのように用いられているのかを検討していく。そして同時代に『春秋左氏伝』を中核に置く荊州学を修めた諸葛亮の『孫子』の用い方との共通性の有無を解明する。そして、諸葛亮が曹魏への北伐に際して、後漢に継承されていた「八陣」に、どのような工夫を加えたのかを探る。最後に、諸葛亮の「八陣」が継承されていく行方を知ることで、唐以降の軍事思想のあり方の一端を明らかにしていこう。

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