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平安時代の佛書に基づく漢文訓讀史の研究 第九冊

訓点表記の歴史

平安時代の佛書に基づく漢文訓讀史の研究

◎日本の訓點の起源、平安初期から院政期の訓讀語體系を明らかにし、その変遷の原理に及ぶ大著

著者 小林 芳規
ジャンル 国語学(言語学)
国語学(言語学) > 総記・論集
出版年月日 2019/06/28
ISBN 9784762935992
判型・ページ数 A5・496ページ
定価 17,600円(本体16,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

凡例

第一章 緒説

 第一節 訓點表記の歴史の課題 
 第二節 訓點表記の研究史素描
      假名の研究
      ヲコト點の研究
      その他の諸符號の考察
 第三節 日本の初期訓點の諸符號と新羅加點の符號との緊密性

第二章 符號から観た新羅加點の日本の初期訓點への影響

 第一節 緒説     
 第二節 佐藤本華嚴文義要決の諸符號と日本の初期加點本の諸符號との一致
 第三節 合符における新羅加點の日本の初期訓點への影響
      新羅加點の合符
      日本の初期訓點における角筆の合符
      日本の初期訓點における白書の合符

第三章 訓點における假名字體の變遷

 第一節 緒説
      はじめに
      平安時代の佛書における假名字體の時期別變遷の概要
 第二節 平安初期(九世紀)の假名字體
      假名字體による平安初期訓點資料の類別
      新羅經の假名字體との關係
 第三節 平安中期(十世紀)の假名字體
      はしがき
      平安中期訓點資料の假名字體の分類
      平安中期の訓點の假名字體の特徴
      寛平法皇の假名字體
 第四節 平安後期(十一世紀)の假名字體
      平安後期における片假名字體の系統に關する考察
      平安後期の片假名字體の類別
      片假名字體の系統
      特定字體の源流
 第五節 院政期の假名字體

第四章 訓點における和訓表記の漢字

 第一節 緒説
 第二節 和訓表記の漢字(假名に準ずる漢字)
 第三節 平安初期訓點資料における和訓表記の漢字
      はじめに
      「訓字」の概念とその機能
      讀添え用の訓字の性格
      傍訓の訓字の實態
      傍訓の訓字の性格
      訓字使用の擴がり
 第四節 平安中期訓點資料における和訓表記の漢字
      はじめに
      興聖寺藏本大唐西域記巻十二平安中期點に現れた施點方式
      石山寺藏佛説太子須陀拏經平安中期點に現れた施點方式
      石山寺藏沙彌十戒威儀經平安中期角筆點に現れた施點方式
 附 説 新撰字鏡における和訓表記の漢字について
      新撰字鏡において和訓表記の一方法として用いられた正訓の漢字
      新撰字鏡の正訓の漢字の背景
      新撰字鏡における字訓の漢字の範圍
      字訓の漢字研究の一領域

第五章 使用初期のヲコト點特殊點甲類・乙類の展開

 第一節 ヲコト點研究の殘された問題
 第二節 日本の使用初期のヲコト點と特殊點甲類・乙類        
 第三節 特殊點乙類の類別
 第四節 同一の經巻又は一具の經典に加點された特殊點と同在する
      別系統のヲコト點の性格

第六章 返讀符の始源とその變遷

 序 節 緒言
 第一節 返讀符の始源
      返讀符の始源についての先學の説
      日本の訓點における返讀符の始源とその消長
      弧の返讀符の消長
 第二節 中國・朝鮮半島との關聯が考えられる符號
      「乙」による返讀符
      返讀を受ける漢字にだけ加點した返讀符
 第三節 日本において新たに考案された返讀符
      平安初期における記號の返讀符
      平安中期における「下…上」の返讀符の發達
 第四節 日本における新しい機能を持った返讀符
      漢數字の返讀符
      星點の返讀符
 第五節 一字返讀專用の返讀符の考察
      平安初期の單發的使用
      雁點の考察
 第六節 日本における返讀符變遷の原理 [雁點の起源]
 第七節 返讀符の加施位置の變遷

第七章 合符の始源とその變遷

 第一節 はじめに
      合符の機能についての説
      合符についての先學の論考
      日本の訓點における合符の始源
 第二節 合符の時代別變遷
      平安初期の合符
      平安中期の合符
      平安中期における合符の特殊な用法
      平安後期を主とし院政期に及ぶ合符
      院政期の合符の未分化資料
      合符の機能轉化
      合符の變遷の原理
 附 節 熟字の特殊な加點法

第八章 訓點における疊符の變遷

 第一節 疊符についての先學の説
 第二節 平安時代の訓點資料における二字疊符の推移
      平安初期の二字疊符
      平安中期の二字疊符
      平安後期の二字疊符
      院政期の二字疊符
 第三節 鎌倉時代・室町時代の訓點資料における二字疊符
      鎌倉時代前半期における起筆位置
      鎌倉時代後半期における起筆位置
      室町時代における起筆位置
 第四節 片假名文における二字疊符
 第五節 二字疊符の形態變遷の原因等

第九章 訓點表記の變遷の原理

 第一節 諸事象にわたる共通點
 第二節 複數の事象に共通する變遷の原理


本冊の内容の基となった既發表論文等

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