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幕藩法の諸相

――規範・訴訟・家族――

幕藩法の諸相

◎論考「武士の三くだり半(武士の離縁状)」ほか藩法研究会の第二論文集なる!

著者 藩法研究会
ジャンル 日本史
日本史 > 近世
出版年月日 2019/11/22
ISBN 9784762942303
判型・ページ数 A5・312ページ
定価 8,800円(本体8,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

序 (高塩 博)

第一章 評定所留役小考

 一 創置前後        
 二 職階制の成立       
 三 寺社奉行所への留役派遣
 むすびにかえて (神保文夫)

第二章 江戸幕府服忌令と庶民
        ――『官刻孝義録』等を手がかりとして――

 一 孝子等表彰に見られる庶民の服喪と葬祭  
 二 庶民の服忌令遵守に関する幕藩領主の態度
 むすび (林 由紀子)

第三章 一八世紀前半における紀州藩の広域捜査
        ――牢番頭家文書からうかがう――

 一 幕府の原則――掛合と追込捕――     
 二 紀州藩の広域捜査
 結びにかえて (安竹貴彦)

第四章 対馬藩における「交奸」について
         ――「罰責」掲載の判決の紹介を中心に――

 第一節 「交奸」をめぐる対馬藩と朝鮮政府の態度
 第二節 「罰責」採録の「交奸」事件判決   
 第三節 対馬藩の「交奸」事件
 第四節 「罰責」における交奸事件判決の記述と他史料の記述との比較
 第五節 対馬藩内の「密通」に対する処罰と「交奸」に対する処罰
 おわりに (守屋浩光)

第五章 熊本藩法制史料の基礎構造
         ――「刑法草書」との相関性の分析を通じて――

 一 熊本藩法制史料の系統分類        
 二 刑法草書成立と法制文書の編纂
 三 熊本藩法制史料の相関性
 むすびにかえて (安高啓明)

第六章 熊本藩「結果責任主義」克服の歩み

 一 闘殴殺の故意(「初より殺候造意は無之」)について
 二 闘殴殺の減軽事由について        
 三 故殺と闘殴殺の区別
 四 謀殺罪の従と加巧に関する論判      
 五 判例法の形成(法の創造)
 むすびにかえて (山中 至)

第七章 陸奥国二本松藩の刑事判例集について

 一 「刑例撮要」三巻五冊          
 二 「折獄簿探例」四冊
 三 「劓黥折獄」一冊            
 四 「死肉再犯」一冊
 五 「笞刑撮例」一冊            
 六 「笞刑便覧」三冊
 むすび (高塩 博)

第八章 武士の三くだり半――実例の紹介を中心に――

 一 武士の離縁状授受    
 二 武士の離縁状  
 三 武士の離婚をめぐる若干の問題
 むすびにかえて (高木 侃)

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内容説明

【序より】(抜粋)

藩法研究会は近年、科学研究費補助金の交付を受けて研究活動を継続してきた。平成二十五年度から同二十八年度にかけては、「データベースを通じた判例集と行政記録との相互補完による近世法史研究の新展開」、平成二十九年度より令和二年度にかけては「近世藩法史料の編纂過程についての実証的研究」という研究課題名である。近世法史を専攻する全国各地の大学教員を中心として、会員は二十数名が所属している。かつては二泊三日の夏合宿をおこなって、藩法史料の調査と研究発表とをあわせて実施した。最近では平成三十年九月に熊本大学永青文庫に赴き史料調査をおこなった。しかしながら、会員諸氏の多事により、一同に会する合宿が実現できずに研究会の開催にとどまることが多くなった。それでも会員諸氏はそれぞれに調査研究を進めているので、右の研究課題の成果として論文集の刊行を企画した。今回は統一テーマを設けることなく、「幕藩法」という大きな括りで原稿を募ったところ、様々な視角から考察を加えた八本の論文が提出された。『幕藩法の諸相――規範・訴訟・家族――』と題して刊行する所以である。

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