目次
第一章 中国古代の月別食忌と食宜
一 正月の食忌と食宜
1 元日 五辛盤(春盤)
2 四日 立春の春盤
3 立春に胡餅を食べる
4 七日 七草粥を食べる
5 肉を食べない
6 鼠の残食を食べない
7 生葱を食べない
8 蓼を食べない
9 虎・豹・狸の肉を食べない
10 韮の羹を食べない
11 薤の羹を食べる
12 未熟な果実を食べない
13 正月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
二 二月の食忌と食宜
1 寅の日 魚を食べない
2 九日 魚と鼈を食べない
3 九日 鮮魚を食べない
4 鶏子(鶏卵)を食べない
5 韮を食べるべし
6 蓼を食べない
7 兔の肉を食べない
8生の冷たいものを食べない
9 小蒜(のびる)を食べない
10 陰地の流水・泉水を飲まない
11 二月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
三 三月の食忌と食宜
1 一日 肉と五辛を食べない
2 三日 鳥獣・五辛を食べない
3 陳虀を食べない
4 陳豬を食べない
5 芹を食べない
6 生の薤を食べない
7 韮を食べるべし
8 小蒜(のびる)を食べない
9脾を食べない
10 庚寅の日に魚を食べない
11 生の葵菜を食べない
12 鶏子を食べない
13 蛟龍の肉と魚肉を食べない
14 三月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
四 四月の食忌と食宜
1 筍(笋)を食べる
2 桜桃を食べる
3 大蒜(にんにく)を食べない
4 八日 野菜を食べない
5 雉を食べない
6 胡荽を食べない
7 鶏肉を食べない
8 生薤を食べない
9 蛇肉を食べない
10 鱓魚を食べない
11 胡葱を食べない
12 螺を食べない
13 鶉の肉を食べない
14 四月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
五 五月の食忌と食宜
1 未熟な果実を食べない
2 韮を食べない
3 麞鹿の肉を食べない
4 鹿肉を食べない
5 馬肉を食べない
6 滋味を薄くする
7 夏至 角黍(粽)を食べる
8 夏至 鵞を食べる
9 夏至 豬亀を食べる
10 煮餅(うどんの類)と水引餅を食べない
11 夏至の前後、脂濃いものを摂らない
12 五月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
六 五月五日の食忌と食宜
1 角黍(粽)を食べる
2 鵞を食べる
3 豬亀を食べる
4 粽子を多く食べない
5 生の諸菜を食べない
6 鯉魚の骨を焼いて食べる
7 肝と鯉の卵を合食しない
8 芥菜及び雉肉を食べない
9 鱉子と鮑魚の子を合食しない
10 青花・黄花の菜や韮を食べない
七 六月の食忌と食宜
1 澱んだ水を飲まない
2 落下した果実を食べない
3 鶩(あひる)の肉を食べない
4 雁の肉を食べない
5 芹菜を食べない
6 韮を食べない
7 脾を食べない
8 茱萸を食べない
9 羊の肉を食べない
10 露葵を食べない
11 生の葵菜を食べない
12 三伏日 湯餅を食べる
13 六月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
八 七月の食忌と食宜
1 生の蜜を食べない
2 麦を食べない
3 落地した果実・生麦を食べない
4 茱萸を食べない
5 雁を食べない
6 蓴(じゅんさい)を食べない
7 立秋の後五日、瓜を食べない
8 蔆芰(ひし)を食べない
9 七日 同心膾を食べる
10 七日 湯餅を食べる
11 七月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
九 八月の食忌と食宜
1 猪肺と胎胙を食べない
2 陰地の水を飲まない
3 葫(にんにく)を食べない
4 薑(はじかみ)を食べない
5 鶉の肉を食べる
6 韮と露葵を食べる
7 生蒜(にんにく)を食べない
8 鶏子(鶏卵)を食べない
9 鶏肉を食べない
10 胡荽を食べない
11 八月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
一〇 九月の食忌
1 霜のかかった野菜を食べない
2 薑(はじかみ)を食べない
3 猪肉を食べない
4 被霜の瓜と肉を食べない
5 脾を食べない
6 犬の肉を食べない
7 麞の肉を食べない
8 甘みを省き鹹を減じる
9 生葵を食べない
10 九日 麻葛餻を食べる
11 九月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
一一 一〇月の食忌と食宜
1 黍臛を食べる
2 麻豆羹飯を食べる
3 被霜の生菜を食べない
4 椒を食べない
5 螺・蜯を食べない
6 猪肉を食べない
7 生の薤を食べない
8 亥日 餅を食べる
9 一〇月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
一二 一一月の食忌と食宜
1 夏を経た肉脯を食べない
2 亀・鼈を食べない
3 鴛鴦を食べない
4 生菜を食べない
5 生の薤を食べない
6 鼠の肉・燕の肉を食べない
7 蝦・蚌・著甲のものを食べない
8 冬至に餛飩を食べる
9 冬至に赤小豆粥を食べる
10 甲子の日、獣肉を食べない
11 一一月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
一三 一二月の食忌と食宜
1 狗と鼠の残食を食べない
2 生の葵菜を食べない
3 生の薤を食べない
4 蟹と鼈を食べない
5 脾(脾臓)を食べない
6 亀・鼈を食べない
7 亀の肉・鼈の肉と肉を食べない
8 牛肉を食べない
9 自死する鳥・牛を食べない
10 鱔(うつぼ)を食べない
11 自死する豕肉(子豚の肉)を食べない
12 一二月は蝦・蚌・著甲のものを食べない
13 梶の木・桑の木で炙った牛肉を食べない
14 一二月の月建の日に、雄の鴙肉を食べない
一四 特別な日の食忌
1 毎月一〇日獣肉を食べない
2 午の日、祭肉を食べない
3 甲子の日、一切の獣肉を食べない
4 甲子の日、亀・鼈・鱗物・水族の類を食べない
5 丙午の日、雉肉を食べない
6 壬子の日、猪の五臓及び黒い獣の肉を食べない
7 壬子の日、諸の五臓を食べない
8 六甲の日、黒い獣を食べない
9 六甲の日、鱗や甲羅のあるものを食べない
10 六甲の日、亀・鼈を食べない
11 六甲の日、螺・蚌と菜を食べない
12 六甲の日、蝦の鬚なく、腹が黒いものを食べない
第二章 中国の古食忌
第一節 『医心方』の食忌
1 過食の戒め
2 食べ合わせの戒め
3 冷・熱の食べ合わせ
4 熱い膩物と冷たい酢漿
5 熱い食べものと冷たい酢漿
6 甜粥と薑(姜に同じ)
7 飴と粥
8 甘味と生菜
9 干秫米と猪肥
10 小麦と菰(まこも)
11 小麦と菰菜
12 小麦と菰首(まこもの芽)
13 蒜と飴昜
14 蕎麦と猪肉
15 生葱と鶏肉・雄雉の肉
16 葱(ねぎ)・薤と白蜜
17 葱と桂
18 生葱と蜜
19 生葱と鯉魚
20 生葱と棗
21 葱と陳薤(古いらっきょう)
22 葵菜(冬葵)と猪肉
23 陳薤(古いらっきょう)と新薤
24 葵と黍
25 五辛と猪肉・生魚
26 辛きものを合食しない
27 諸刺菜と麞の肉・蝦
28 藜(あかざ)・苦菜・生薤
29 芹菜と生の肝
30 戎葵と鳥子
31 干薑と兔の肉
32 甘草と蕪夷・蓼
33 蓼と生魚
34 蓼の葉と生魚
35 芥菜と兔の肉
36 生菜と蟹
37 栗と生魚
38 李実と雀の肉
39 烏梅と猪膏
40 李と蜜
41 棗と葱
42 杏子と膏
43 菰首と白蜜
44 菱の実と白莧
45 蝦と麞の肉・梅・李・生菜
46 螺・蜊と芥(からし菜)
47 諸菓と螺・蜊
48 諸菜と螺・蜊・蝸
49 猪肉と魚
50 猪肝・脾と鯽魚
51 猪肝と鯽魚の卵
52 猪肝と鯉子・芥菜
53 諸肝と小豆
54 生肉と乳汁
55 生の鹿肉と蝦汁
56 麞の肉・鹿の肉と蝦・諸刺生菜
57 鹿肉と鯷魚(なまず)
58 猪汁と杏仁粥
59白蜜と白黍
60 白蜜と棗
61 白蜜と葱・韮
62 蜜と生葱
63 甜酪と大酢
64 乳酪と魚膾
65 乳汁と生肉
66 乳汁と生魚
67 乳酪と水漿
68 鳥肉と卵
69 生魚と蒜
70 白苣と酪
71 竹笋と蜜
72 竹笋と鯽魚
73枇杷の実と炙肉・熱麵
74 薺(なず菜)と麵
75 鶉の肉と猪肉
76 大豆と猪肉
77 胡麻と韮・蒜
78 蘭蒚草と鹿脂
79 雁と生海鼠(生のなまこ)
80 李実と牛蘓
81 葵と蕨菜
82 猪肉と葵菜
83 鹿と雉
84 鯽魚と鹿肉
第二節 『新修本草』の食忌
1 天門冬を服せば、鯉魚を食べることを禁止する
2 葈耳(おなもみ)と猪肉・米泔(米のとぎ汁)を合食しない
3 病人は熊の肉を食べない
4 羊の肝と肉・梅・小豆を合食しない
5 青牛の腸は犬の肉・犬の血と合食しない
6 白馬の青蹄なるものは食べない
7 白犬の血は白鴨の血等々と合食しない
8 麇(く鹿)の肉と鵠(白鳥)の肉を合食しない
9 妊婦は兔の肉を食べない
10兔の肉と白鴨の肉を合食しない
11 兔の肉と獺(かわうそ)の肉を合食しない
12 麋(おお鹿)の肉と蝦・生菜・梅・李と合食しない
13 豚肉を食べ飲酒して、稲藁に寝ない
14 白猪の蹄に青色が雑るものは食べない
15 猪膏は烏梅を忌む
16 獺(かわうそ)の肉と兔の肉を合食しない
17 鴨(あひる)の卵は葫蒜・李と合食しない
18 烏・鴨の肉は犬の肝・犬の腎臓と合食しない
19 鴨は芥葉と蒸して合食しない
20 鴨卵と鼈の肉を合食しない
21 口を閉じず自死した鳥を食べない
22 雀の肉と李を合食しない
23 雀の肉と醬(ひしお)を合食しない燕の肉を食べない
24 山上の湖沼の鯉魚は食べてはいけない
25 鯉鮓(鯉のすし)と小豆藿(小豆の葉)
26 鯉の卵と猪肝を合食しない
27 鮧魚(なまず)を食べる時の注意点
28 魚頭に白色の連珠のような文様がある魚、
胆なき魚、鰓なき魚を食べない
29 魚と魚汁は鸕鷀の肉と合食しない
30 鯽魚(ふな)は猴の肉・雉の肉と合食しない
31 鰍(どじょう)・鱔(うつぼ)は白犬の血と合食しない
32 鯉魚の子は猪の肝と合食しない
33 青魚の鮓は生の胡荽(こえんどろ)や麦醬(麦びしお)と合食しない
34 蝦の鬚のないもの、腹が黒いもの、煮て腹が白くなるものは食べない
35 生蝦の膾は鴨(あひる)の肉と合食しない
36 鯸鮧魚(河豚)は大毒があり、食べてはならない
37 鱉(鼈の俗字)の肉を食べれば病気となる
38 目が陥没する鱉を食べ、また鴨子と鱉を合食しない
39 鱉を莧菜と合食しない
40 鱉の下部に「王」の字形のあるものは食べない
41 鹿心の柿は多食しない
42 朮を服せば、桃を食べることを禁止する
43 李は雀肉と合食しない
44 葫(にんにく)と肉の膾は食べない
45 葫と青魚の鮓を合食すれば黄疸を発す
46 寒熱を患う者は扁豆(ふじ豆)を食べない
第三節 『備急千金要方』の食忌
1 葵菜と鯉の鮓を食べない
2 芥菜と兔の肉を共に食べない
3 亀の肉・鼈の肉と猪肉を共に食べない
4 秋の果・秋の菜と亀の肉を共に食べない
5 六甲の日に、亀・鼈を食べない
6 螺・蚌と菜を食べない
7 蝦の膾を猪肉と食べない
8 蝦に鬚がなく、腹下が黒いものは食べない
9 生の麑肉と蝦汁を共に食べない
10 生の麑肉と雉肉を共に食べない
11 鼈の肉・兔の肉に芥子醬を混ぜない
12 鼈の三足なるものを食べない
13 鼈の肉を莧菜や蕨菜と食べない
14 飲酒して亀の肉を食べれば、菰・白菜を食べない
第四節 『外臺秘要方』 の食忌
1 白犬の血・腎は白鶏・白鵝の肝に雑えない
2 白羊の肉は鶏肉に雑えない
3 犬の肝は烏・鶏・狗・兔の肉を雑えない
4 猪肉は烏梅と合食しない
5 兔の肉は獺の肉と白鶏の心臓と合食しない
6 白馬の肉の黒頭の部分は食べない
7 麋(おお鹿)の肉は蝦・獺・生菜と合食しない
8 麋の脂は梅・李と合食しない
9 麋の肉は鵠(白鳥)の肉を雑えて食べない
10 羊の肝は烏梅・白梅・山椒と雑え食べない
11 牛の腸は犬の血・犬の肉と合食しない
12 青蹄である白馬の肉は食べない
13 白猪の白蹄・青爪であるものは食べない
14 羽茎が六ある鶏は食べない
15 黒色の鶏の白頭のものは食べない
16 鹿の白膽を誤食してはならない
17 肉を食べ、草中に寝てはならない
18 雄鶏の肉は生の葱・生の芥菜と合食しない
19 鶏子・鴨子は
蒜(にんにく)・桃・李・鼈の肉・山鶏の肉と合食しない
20 雀の肉を牛肝の落地して、塵の付かないものと雑え食べない
21 曝脯の乾燥不十分なものは食べない
22 祭肉の自動し、祭酒の自竭するものは飲食しない
23 鳥獣が自死し、口開かず、翼の合わないものは食べない
24 鳥獣の焼死したものは食べない
25 病人は熊の肉と猴の肉を食べてはならない
26 山羊の肉は鶏卵と合食しない
27 鶏卵は鯉魚と合食しない
28 食物に蝿や蜂が群がっているものは食べない
29 水と酒を飲む場合、自影が見えないものは飲まない
30 丙午の日、雉の肉を食べない
31 壬子の日、猪の五臓と黒き獣の肉を食べない
32 甲子の日、亀・鼈・鱗物・水族の類を食べない
第五節 『医心方』の失味
1 熊脂と魚の羹
2 魚の膾と鶏肉・鴙肉
3 芥子醬と魚の膾
4 炙肉の汁と醬
5 蒜・薺と椒
6 青州棗と白蜜
7 酢漿粥と酪
8 酸棗と酒
9 乳麋と魚鮓
10魚膾と兔の羹
11 乳麇(乳粥)と魚肉
12 蒜・薺と芥子醬
13 大豆と小豆
14 菘子と蕪夷
15 大豆と小麦
16 小芥と蘘荷
17 芸薹と大芥韮と薤
18 大芥と水蘓
19 蓼と小芥
20 糯(もち米)と食酢・酢葅
21 餘白録『外臺秘要方』の王燾について
第三章 『事林広記』 の食忌
第一節 『事林広記』の飲食害人
1 黄鱨を食べた後に荆芥を食べない
2 鯽魚を麦門冬と合食しない
3 蜜を盛った瓶で作った鮓(すし)は食べない
4 肉を炙って動かず、乾かないものは食べない
5 菌類の下に紋なきものは食べない
6 肉汁の通気しないものは危険
7 新しい蕈(地菌類)の毛のあるものは食べない
8 簷からの滴水で生育した菜は食べてはならない
9 禽・獣の肝、青いものは食べない
10鳥の自死し、閉ざるものは食べない
11 蟹の目、相い向うものは食べない
12 頭髪 魚鮓内にあるものは食べない
13 祭酒(御神酒)の自ら耗るものは飲まない
14 魚頭に白あり、脊上に連なるものは食べない
15 河豚の眼赤いものは食べない
16 神を祭る肉、故なく動くものは食べない
17 羊の肝の竅あるものは食べない
18 生菓(果実)を長時間放置し、傷んだものは食べない
19 瓜の両蔕・両鼻は食べない
20 鱟魚(かぶとがに)の小さいものは食べない
21 不完全な肉脯は食べない
22 飲酒のあと、羊・豕(子豚)の脳を食べない
第二節 『事林広記』の飲食相反
1 螃蟹を灰酒と同食しない
2 粟米と杏仁を共食しない
3 薤菜と牛肉を同食しない
4 兔の肉と乾姜を同食しない
5 兔の肉と白鶏の肉を同食しない
6 死馬の肉を食べれば、倉米を食べない
7 鯽魚と芥菜を同食しない
8 猪の肉と生姜を同食しない
9 鶏肉と葫蒜を同食しない
10羊の肉と豆醬を同食しない
11 糖蜜と小鰕を同食しない
12 羊の肝と生椒を食べない
13 棗・李と蜂蜜を同食しない
14 飲酒の後に芥辣を食べない
15 兔の肉と鵞(がちょう)の肉を同食しない
16 飲酒のあと胡桃を多食しない
17 猪の肝と鵪鶉を同食しない
18 粥を食べた後に白湯を飲まない
19 牛肉と白酒を同食しない
20 鱉肉を食べたら、莧菜を食べない
21 麦と鯉魚を同食しない
第四章 服薬食忌
第一節 『新修本草』の服薬食忌
1 朮を服用する時、桃李・雀の肉・胡荽・大蒜・青魚鮓等を忌む
2 藜蘆を服用する時、狸の肉を忌む
3 巴豆を服用する時、蘆笋の羹と野猪の肉を忌む
4 黄連・桔梗を服用する時、猪肉を忌む
5 地黄を服用する時、蕪荑を忌む
6 半夏・菖蒲を服用する時、飴糖及び羊の肉を忌む
7 細辛を服用する時、生菜を忌む
8 甘草を服用する時、菘菜を忌む
9 牡丹を服用する時、生の胡荽を忌む
10 商陸を服用する時、犬の肉を忌む
11 常山を服用する時、生葱・生菜を忌む
12 空青・朱砂を服用する時、生の血物を忌む
13 茯苓を服用する時、醋のものを忌む
14 鼈甲を服用する時、莧菜(ひゆ菜)を忌む
15 天門冬を服用する時、鯉魚を忌む
16 薬を服用すれば、生の胡荽及び蒜・雑生菜を食べない
17 薬を服用すれば、諸滑物・果実らを食べない
18 薬を服用すれば、
猪・犬の肉・油膩・肥羹・魚膾・腥臊らの物を食べない
19 薬を服用すれば、死尸及び産婦の汚穢を見ない
第二節 『事林広記』の服薬食忌
1 朱砂を服用する時は、生血を避ける
2 大棗を服用する時は、地黄を避ける
3 烏頭・烏啄を服用する時は、豉汁を避ける
4 水銀・粉生銀を服用する時は、生血を避ける
5 孔公孽・陽起石・礬石・碙砂・半夏を服用する時は、羊の血を避ける
第五章 道教と年中行事
一 はじめに
二 清代蘇州の年中行事
1 財神の生日
2 玉皇大帝の生日
3 劉猛将軍の生日
4 三宮大帝の生日
三 二月・三月の神々
1 土地神の生日
2 城隍神の出巡
3 玄壇神の生日
4 東岳神の生日
四 衆生済度に尽くす神仙たち
1 呂神仙の生日
2 張天師の魔よけ符
3 鍾馗
4 関帝(関羽)の生日)
五 治水・治病に祈られる神々
1 二郎神の生日
2 娘娘の生日
3 竈神の送迎
4 門神
六 おわりに
本書の要約
付録
一 紅葉山文庫本『養生月覧』(国立公文書館内閣文庫蔵)(影印)
二 『中国古代の年中行事』索引
内容説明
【第五冊「序に替えて」より】(抜粋)
一〇世紀以前の中国の歳時を『中国古代の年中行事』と題し、春夏秋冬の四分冊とし、汲古書院創立四〇周年記念冊として出版した。『中国古代の年中行事』では、各月の末尾に食忌・食禁の項目を設け、『医心方』の月食禁、『四時纂要』の各月の食忌、『養生月覧』所載の各月の食忌を取捨し、月別に配列した。
『中国古代の年中行事』の刊行が終了してから、中国古代の食忌・食禁は、九八四年、日本で著作された丹波康頼の『医心方』を通じて、日本古代の殿上人の食生活にも大きな影響を与え、その食忌・食禁を模倣したであろう、庶民の食生活にも影響を与えているであろうと考えるに至った。
八・九世紀の中国の年中行事が日本の宮廷の年中行事や節日の成立に影響を与え、宮廷の年中行事に影響され、庶民の年中行事が成立し、現在の屠蘇酒や節分行事・盂蘭盆・重数節日(三月三日の上巳・五月五日の端午など)があるように、中国古代の食忌・食禁は日本古代の食生活史や食文化史を考察する上において、看過できない問題であり、現代の日本の食忌・食禁の根底には、中国古代の食忌・食禁があると想定される。それゆえに、中国古代の食忌・食禁は、中国古代の庶民生活史だけでなく、日本の庶民生活史を解明する上で、年中行事と並んで解き明かすべき課題と確信する。
【『中国古代の年中行事』第五冊〔補遺〕収録 総合索引 凡例】
(1)本索引は『中国古代の年中行事』春冊・夏冊・秋冊・冬冊および補遺冊(本冊)の総合索引である。
(2)「春冊」を①、「夏冊」を②、「秋冊」を③、「冬冊」を④、「補遺冊」を⑤として、冊数を示した。
(3)項目の配列は漢字単位の五十音順とした。
(4)複数のよみ方が想定される項目は、それぞれのよみを該当するところに配した。
(5)「補遺冊」食忌の項目は、例えば「猪肉と魚」の場合は、「魚と猪肉」でも検索できるように按配した。
THE ANNUAL EVENTS OF THE CHIENSE ANCIENT TIMES Volume Ⅴ
Combination of Foods(合食禁) in Old China Index and Supplements to the Annual Events Series