内容説明
【本書より】(抜粋)
「春秋学」という称謂は、例えば「経済学」のような、現在行われている学問、言い換えれば、我々自身の営為を呼ぶものとは、本質的に異なる。もし、経済学と同じレベルの言い方が必要とされるならば、“我々のなすべきことは「春秋学」学である”と言わねばならない。つまり「春秋学」とは、学問そのものではなく、学問の対象を指す言葉なのである。かくて、このような意味での春秋学の用語を集めたものが本書である。
(正篇より)
前著『春秋学用語集』では、全体を、一般篇と特殊篇に分け、一般篇については“本篇は、春秋学の用語のうち、一般的ではあるが、陳腐でないものを集めて掲げ、辞典風に簡潔な解説を附したもので、後の特殊篇に対する、いわば予備的部分である”と説明し、特殊篇については、“本篇は、普通の語学的アプローチではなかなか明らかにし難い春秋学の特殊用語について、「春秋学」学の立場から、専ら論理的に分析を試みたもので、本書の主要部分である”と説明している。(ちなみに「春秋学」学とは筆者の命名で、経学の一種である「春秋」学を対象とする学問をいう)。本書はそのつづきだが、もはや一般篇は無い。つまり、全体が特殊篇である、ということである。だから、正確に言えば、単なる『用語集』ではなく、『特殊用語集』である。(“特殊”たる所以は、本文で明らかになるはずである)。(続編より)