内容説明
【内容目次】
春秋穀梁伝序
春秋穀梁伝注疏 隠公
春秋穀梁伝注疏 桓公
春秋穀梁伝注疏 荘公
春秋穀梁伝注疏 閔公
『春秋穀梁傳』は、『春秋公羊傳』・『春秋左氏傳』と並び経書に準ずる書物として経学研究
の基本文献である。『穀梁傳』の注釈書において基本となるものは、晋の范甯による『春秋穀
梁傳集解』である。この『春秋穀梁傳集解』は、現存する『穀梁傳』の注釈書としては最古の
ものと考えられる。范甯の『春秋穀梁傳集解』成立以後、唐による中国全土の統一と、それに
ともなう思想文化面での統合、特に太宗の勅命により『五経正義』等が作られると、『春秋穀
梁傳集解』の「疏」が楊士勛により作成された。
本書『春秋穀梁傳楊士勛疏』は、范甯の『春秋穀梁傳集解』を改めて注釈した『穀梁傳疏』
の日本語訳である。今回、隠公元年より閔公二年までを刊行し、順次公刊の予定である。
【本書の特色・構成】
本書は『春秋穀梁傳注疏』隠公元年から閔公二年までを「原文」・「訓読」・「口語訳」で
提供するものである。
一、原文は通行の十三経注疏『春秋穀梁傳注疏』の本文を用い、阮元校勘記などにより修正
を加えた。
二、疏を訓読(読み下し)し、口語訳した。経・伝・注は訓読のみである。
三、原文と訓読文は原則として旧漢字、口語訳は常用漢字、とした。
四、経・伝・注の訓読には必要に応じてルビをつけ、疏の口語訳には( )で補足・補充の
文を加えた。
五、訓読・口語訳で参考にした主な書は以下の六冊である。
鍾文烝『春秋穀梁經傳補注』(中華書局)
柯劭忞『春秋穀梁傳注』(台湾力行書局)
《十三経辞典》編集委員会『十三経辞典春秋穀梁傳巻』(陝西人民出版社)
王寧主編評析本白話《春秋公羊伝・穀梁伝》(北京広播学院出版社)
林羅山『穀梁傳』(和刻本経書集成第二輯、汲古書院)
岩本憲司『春秋穀梁傳范甯集解』(汲古書院)