目次
一 米中・日中関係の変化と文化大革命の収束 二 改革開放中国のはじまり
三 明清史国際学術討論会
第2章 一九八〇年北京・天津・山海関・承徳史蹟参観
一 明清史国際学術討論会の史蹟参観:その一、北戴河・山海関への鉄道の旅
二 史蹟参観:その二、薊州・清東陵・承徳避暑山荘へのバス旅行
三 史蹟参観:その三、北京市内と居庸関八達嶺万里長城へバス旅行
第3章 改革開放政策と一九八〇年代日中学術交流
一 鄧小平・胡耀邦・趙紫陽の時代 二 一九八〇年代、改革開放時代初期の日中学術交流
三 一九八七年広州国際清代区域社会経済史及び全国第四回清史学術討論会
四 一九八九年六四天安門事件と日中学術交流
第4章 社会主義市場経済の提唱と一九九〇年代の中国社会経済
一 鄧小平・江沢民の時代 二 鄧小平・江沢民の内政と外交 三 一九九〇年代後半の中国社会経済
第5章 中国三峡ダム貯水池地盤環境及び第二回日中地盤環境保全に関する研究交流フォーラム
一 三峡の歴史環境 二 三峡ダムプロジェクトの発足
三 中国三峡ダム貯水池地盤環境及び第二回日中地盤環境保全に関する研究交流フォーラム
第6章 江沢民一党独裁社会主義の矛盾――ポスト鄧小平時代の中国近代化――
一 江沢民の時代 二 改革開放政策の修正補充、維持発展
三 中国科学技術の近代化と西部大開発――改革開放中国の膨張のはじまり――
四 「三つの代表」思想――江沢民の共産党改革――
第7章 中国の世界遺産――江沢民と胡錦濤両時代の対比――
一 世界遺産と世界文化遺産 二 中国の世界遺産、自然遺産・複合遺産
三 中国の世界遺産、世界文化遺産 四 胡錦濤時代中国の世界遺産、世界文化遺産
五 中国の世界遺産暫定リスト(現在) 六 江沢民時代と胡錦濤時代の中国の世界遺産の意味
第8章 中国白酒の歴史文化
一 酒といえば老酒・醸造酒 二 老酒・白酒の時代のはじまり 三 現在から遡る白酒の歴史文化
第9章 胡錦濤時代――和諧社会への転換を目指して――
一 胡錦濤の時代の開始――江沢民の遺産継承――
二 胡錦濤和諧社会の提唱――共産党員栄華の時代の幕開き――
第10章 「中国の夢」追求の時代始まる
一 二〇〇九年上海の不動産バブルの実態 二 台湾不動産業者の二〇〇九年上海の不動産バブルの実態
三 コロンブスが崇明島を発見――二〇〇九年上海における「中国の夢」――
四 上海地下鉄一一路線、総延長距離は東京を抜いた
内容説明
【本書】より(抜粋)
一九八〇年ごろより今日まで三十三年、私がお付き合いした中国の先学・同学・後輩・教え子の思い出を脳裏に浮かべながら、それが時々の日本・中国の現実といかに切り結んだ歴史的瞬間なのかの意味を問いたい。特に今日の中国の改革開放政策の狙いがその全貌、正体を顕しはじめたことを正面から直視したいと思う。
イタリアの歴史家ベネディクト・クローチェは「全ての歴史は現代である」と言ったが、私はさらに一歩を進めて「現代史を叙述しない歴史家は歴史家ではない」と言いたい。……ここで敢えて書くが、中国研究は今こそ重要である。それと日中にやや隙間が生じたことでかえって冷静にものを考えることができる。子子孫孫日中のためにも私が辿った三十三年の中国との付き合いの履歴を記し、その総過程の意味を考えたい。