目次
序(佐藤 保)
訳 注 篇(詹満江・横田むつみ・植松宏之・董子華・姚星煜・趙美子)
訳注篇
凡例
五言律詩(一)
五言絶句(二~一四)
六言(一五)
七言絶句(一六~八二)
賛(八三)
〔補遺(底本外)〕七言律詩(八四~八六)
五言律詩(八七)
七言絶句(八八~九二)
七言六句(九三)
資料篇
一 底本及び薛濤詩を収録する諸本
底本(植松宏之・趙美子)
薛濤詩を収録する諸本(趙美子)
底本外の詩について(横田むつみ)
二 薛濤の伝記資料(董子華・詹満江)
三 薛濤研究について(横田むつみ)
四 その他 薛濤に関すること(植松宏之)
五 薛濤年譜(詹満江)
六 薛濤詩収録状況表(横田むつみ)
跋(詹満江)
執筆者一覧
索 引
内容説明
【序より】(抜粋)
本書『浣花渓の女校書 薛濤の詩を読む』は、唐代の中唐期、女性詩人として天下にその名を馳せた薛濤の現存する詩作品のすべてについて、わが国の薛濤研究会で行われた会読の記録である。ここで「わが国」と特にことわった理由は、まったく同じ名称の研究会が、薛濤ゆかりの地である中国・四川省成都に存在しているからである。成都の薛濤研究会が創設されたのが平成二年(一九九〇)の春、それに後れること二十六年、日本の薛濤研究会の立ち上げは平成二十八年(二〇一六)十一月のことであった。この二つの研究会は会名だけは同じものの、活動の規模や内容は大違いで、片や国際的なシンポジウム(研討会)を主催するほどの歴とした学会であるのに対して、日本側のそれは今のところまだ小さな読詩会に過ぎない。しかしながら形は小さくとも、薛濤詩研究に注ぐ情熱は決して小さくなく、むしろこの日中の二つの研究会は、唐詩、ひいては唐代文学と女性という大きなテーマを共有しているとさえ言えるであろう。(中略)本薛濤研究会の最も重要な目的は、言うまでもなく、いま本書の訳注篇に収録する総計九十三首の詩作品を確実に読み取ることである。九十三首の内訳は、底本である明萬暦三十七年(一六〇九)洗墨池刻本『薛濤詩』所収の八十三首が底本所録の作品――ただし八三「四友贊」は文に属するもの――であり、残りの十首は底本には収録しないいわゆる集外詩に類するものである。詳細は資料篇の「底本及び薛濤詩を収録する諸本」を参照されたい。
〔本書の特色〕
◎全詩に、原文、訓読、平仄、【押韻】【校勘】【現代語訳】【語釈】を施し、必要に応じ【補説】を付した。
◎底本には、『薛濤詩』(北京圖書館出版社 二〇〇二年 據中國國家圖書館蔵明萬暦三十七年洗墨池刻本影印)を用いた。
◎詩の配列は、底本にある八十三首、底本外にある十首の順とし、この詩題順に作品番号を付した。
◎訓読は、送り仮名・振り仮名ともに現代仮名遣いとした。
Reading the poetry of Xue Tao; The female réviseur de textes of Huanhuaxi