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金朝道家道教の諸相

金朝道家道教の諸相

◎石刻資料・地方志を用いて文献資料の不足を補い、金朝道教の未開拓の領域を解明する

著者 山田 俊
ジャンル 中国思想・哲学
中国思想・哲学 > 宋元
中国思想・哲学 > 明清
出版年月日 2022/02/17
ISBN 9784762967047
判型・ページ数 A5・750ページ
定価 15,400円(本体14,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

総序 金朝道家道教研究の総括と再考

第一篇 注釈資料から見る金朝道家道教

 第一章 『道德經』『陰符經』注釈総論
  第一節 道典等の記載                 
  第二節 目録等の記載
 
 第二章 時雍『道德眞經全解』の思想に就いて
  第一節 『全解』の基本思想              
  第二節 『全解』の修養思想

 第三章 金朝『道德經』注釈資料としての李霖『道德眞經取善集』に就いて
  第一節 北宋注釈         
  第二節 唐代注釈   
  第四節 六朝以前注釈

 第四章 李霖『道德眞經取善集』の思想に就いて
  第一節 『取善集』の形式     
  第二節 李霖の思想  
  第三節 李霖思想の背景

 第五章 寇才質『道德眞經四子古道集解』に就いて
  第一節 『集解』所引「四子」   
  第二節 「今・古」の図式
  第三節 「書學」の否定      
  第四節 常用表現

 第六章 唐淳『黃帝陰符經注』の思想と道教思想史上の位置に就いて
  第一節 唐淳『注』の文献問題   
  第二節 唐淳『注』の思想
  結語

 第七章 劉處玄思想再考―『黃帝陰符經注』を中心に―
  第一節 劉處玄の生涯とその著述に就いて   
  第二節 劉處玄『陰符經注』の思想

 第八章 侯善淵の思想に就いて
  第一節 『上清太玄集』に就いて  
  第二節 侯善淵『陰符經註』に就いて
  第三節 『太上老君説常清靜經註』に就いて

 第九章 趙秉文『道德眞經集解』に就いて
  第一節 『集解』所引注釈     
  第二節 趙『集解』の諸注対処状況
  第三節 趙秉文の立場

 【補論 一】金朝道教「眞元派」再考
  第一節 先行研究検証       
  第二節 所謂「眞元派」経典群の外延に就いて
  第三節 「元精・丹華」を巡る故事に就いて

 【補論 二】『淵源道妙洞眞繼篇』の文献問題とその内容に就いて
  第一節 巻上・中         
  第二節 巻下

 【補論 三】李畋『道德眞經疏』小考
  第一節 李畋『疏』        
  第二節 李畋『疏』の思想に就いて

第一篇 総括

第二篇 金朝道家道教と地域問題

 第一章 金朝道教地方志・石刻資料と文献資料概観
  第一節 祈雨と関わって      
  第二節 既存の道教と関わって
  第三節 伝世道教文献と関わって

 第二章 『太上玉華洞章拔亡度世昇仙妙經』と六十一巻本『度人經』
         ――金朝皇統年間山西地区の一事例――
  第一節 「敘傳授經事」に就いて  
  第二節 『昇仙妙經』と六十一巻本『度人經』
  第三節 『昇仙妙經』の思想に就いて

 第三章 喬扆「重立泰寧宮碑」・「太清觀記」に就いて
  第一節 「重立泰寧宮碑」     
  第二節 「太淸觀記」

 第四章 張萬公「太虛觀碑」に就いて
  第一節 張萬公          
  第二節 賈成公
  
 第五章 明昌二年碑文「太上玄靈北斗本命延生經」に就いて
  第一節 「明昌碑文」と『無注』等について
  第二節 諸本間の文字の異同   第三節 『若』について
  【附】「明昌二年「太上玄靈北斗本命延生經(碑文)」校本」

 第六章 『元始天尊説生天得道經』與「佛道圖文碑」「霍習墓幢」
         ――宋金元三朝道教の歴史性と地域性問題――
  第一節 『生天得道經』     
  第二節 「佛道圖文碑」所引経文に就いて
  第三節 「霍習墓幢」に就いて

 第七章 『凝陽董眞人遇仙記』に就いて
  第一節 『遇仙記』の内容     
  第二節 両当県史料    
  第三節 「重修三淸閣記」

 【補論 四】「元陽子」小考
  第一節 『道藏』所收「元陽子」著述     
  第二節 書目等の記載状況
  第三節 「金碧濳通訣」等          
  結語――『陰符經頌』の撰者「元陽子」

 【補論 五】「草衣子」小考
  第一節 草衣子婁敬と錬丹     
  第二節 「草衣子」撰述文献の内容

第二篇 総括

あとがき
人名索引
文献名索引

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内容説明

総序より】(抜粋)

本著は、十二〜十三世紀の間、中国北方を統治した女真族国家金朝の領域内に於ける道家道教の諸相を考察の対象とするものである。女真金朝を対象とするとは言うものの、女真族の思想・宗教を考察するものではなく、金朝が統治していた時代・地域に於ける思想・宗教を「中国」思想史・宗教史の一環として検討するものである。
 本著では、第一篇で撰者が金人と特定出来る文献資料の注釈等の分析を行い、その結果を道家道教思想史の上に位置付ける。金朝の道家道教の諸相を窺おうとするのであれば、先ずは何を措いても注釈の類の検討が必要であろう。そして、第二篇では地方志の記述や石刻資料等を文献資料と突き合わせることで思想史的解釈を試みる。
 この両篇に亙る作業で、金朝道家道教の歴史性と地域性の両面の分析を試みるつもりである。



Aspects of Jin Dynasty Taoism

 

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