目次
凡 例
解説篇
1.敦煌市
1)新店台墓群
2)仏爺廟墓群
3)祁家湾墓群
4)その他
2.瓜州県
3.嘉峪関市
4.酒泉市(粛州区)
5.高台県
6.張掖市(甘州区)
7.金昌市(金川区)
8.定西市(安定区)
9.崇信県
10.霊台県
11.青海省 大通回教土族自治県
12.新疆ウイグル自治区 民豊県
釈文篇 参考文献と略号
1.敦煌市
1)新店台墓群,1960年出土鎮墓瓶銘(№1~3)
2)新店台墓群,1982年出土鎮墓瓶銘(№4~16)
3)新店台墓群,1987年出土鎮墓瓶銘(№17~38)
4)仏爺廟墓群,1944年出土鎮墓瓶銘(№39~41)
5)仏爺廟墓群,1980年出土鎮墓瓶銘(№42~51)
6)祁家湾墓群,1985年出土鎮墓瓶銘(№52~86)
7)その他,三号橋1973年出土鎮墓瓶銘・三危山出土鎮墓瓶銘(№87・88)
2.瓜州県
1)疏勒河墓群,1998年出土鎮墓瓶銘(№89)
3.嘉峪関市
1)新城墓群,1972年出土鎮墓瓶銘(№90)
4.酒泉市(粛州区)
1)西溝墓群,1993年出土鎮墓瓶銘(№91)
2)三百戸墓群,2008年出土鎮墓瓶銘(№92)
5.高台県
1)土墩墓群,2001年出土鎮墓瓶銘(№93)
6.定西市(安定区)
1)巉口墓群,1980年出土鎮墓瓶銘(№94)
7.青海省 大通回族土族自治県
1)上孫家寨墓群,1973年出土鎮墓瓶銘(№95・96)
年次別索引
あとがき
内容説明
【はしがき より】
本書は,2005年に刊行した関尾編『中国西北地域出土鎮墓文集成(稿)』(以下,「前書」)の増補改訂版である.前書と同じように,本書にも河西地域以外,たとえば河西と同じように甘粛省に属するものの,定西市(安定区),崇信県,および霊台県といった河東地域に位置する市県,さらには甘粛省に隣接する青海省の大通回族土族自治県や新疆ウイグル(維吾爾)自治区の民豊県などで出土した鎮墓瓶やその銘文に関する情報やデータなどもあわせて収録している.ただ河西地域とりわけ敦煌市域で見つかったものが大多数を占めているので,表題には「河西」を用いることにしたが,中国西北地域全体を対象としていることは前書と同じである.また釈文については,昨年刊行した関尾編『河西魏晋・〈五胡〉墓出土図像資料(塼画・壁画)目録』(『図像資料目録』)と同じように,出土した市県別・古墓群別に掲載することにした.
そもそも編者が鎮墓瓶に注目するようになったのは,〈五胡十六国〉(以下,〈五胡〉)時代に作製された鎮墓瓶の銘文に用いられた元号に,河西地域を支配していた政権以外のものが見出せたためである(関尾「前涼「升平」始終」).ようするに,鎮墓瓶銘は〈五胡〉時代の錯綜した国際関係の究明にも欠かすことのできない史料群なのである.このように,鎮墓瓶とその銘文が内包する史料的な可能性には豊かなものがあるのであって,おそらくは編者には未知の可能性も秘められていることであろう。
本書の刊行により,新たな史料的な価値が発見されれば,編者にとっては望外である。