内容説明
日本の「律令学」を牽引するとともに、律令研究を近世法、近代法の研究にも応用されて方法論の上でも新機軸を拓かれた小林 宏先生の古代から近代にいたる珠玉の論考を全三冊にまとめお届けする。
【収録一覧】
第一巻 古代・中世
第一 日本律の成立に関する一考察
第二 折中の法について
第三 「因循」について―― 日本律令制定の正当化に関する考察――
第四 因准ノ文ヲ以テ折中ノ理ヲ案ズベシ―― 明法家の法解釈理論―
第五 古記と令釈 ―― その法解釈の手法について ――
第六 日本律の枘鑿 ―― その立法上の不備について ――
第七 日本律編纂の意義について
第八 日本律における礼の法的機能
第九 日本律における妾の地位 ―― 唐律との比較から ――
第十 我が中世における神判の一考察
附録
第一 歴史のなかのレトリックをたずねて
続・歴史のなかのレトリックをたずねて
第二 「唐律疏議」のなかのレトリック
―― アリストテレスの 『弁論術』 を手懸りとして ――
第三 日本の律法典における形式性と実用性
第四 日本律逸文三題
第五 令集解引載の「或釈」について
第六 明法家の法解釈にみるフィクションの特徴
第七 縄文人の法的思考 ―― 小林達雄 『縄文人の世界』 を読む―
第八 上野利三氏の書評を読む
――『日本律復原の研究』 をめぐって ――
索 引