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三角縁神獣鏡と東アジア世界 続

三角縁神獣鏡と東アジア世界  続

◎日中両国の古代銅鏡データベースを作成し、三角縁神獣鏡研究に新たな地平を切り拓く 続編刊行なる!

著者 川勝 守
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 殷周秦漢
日本史
日本史 > 古代
出版年月日 2015/06/08
ISBN 9784762965500
判型・ページ数 B5・752ページ
定価 16,500円(本体15,000円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

【内容目次】 

 第一章 王仲殊氏の三角縁神獣鏡研究について

            〔王仲殊論文の問題提起/王仲殊論文の課題と展望〕

 第二章 『考古』1959年第1期以来、鏡鑑関係論文題目名及び

            鏡鑑リストのデータベース

 第三章 『文物』350期総目索引・『文物』500期総目索引両著の

            鏡鑑論文名一瞥

 第四章 『文物』1974年第1期以来、鏡鑑関係論文題目名及び

            鏡鑑リストのデータベース

 第五章 中国各地博物館銅鏡目録等における後漢以降神獣鏡・

            画像鏡等三形態事例区分の調査

 第六章 王趁意著『中原蔵鏡聚英』について

 第七章 日本三角縁神獣鏡紋飾の淵源―四川地方の揺銭樹・

            画像磚・神獣鏡画像鏡の関係について―

 第八章 黒塚古墳三角縁神獣鏡の出現

 結語/あとがき/索引

 

【はじめに】より

 

  先に『三角縁神獣鏡と東アジア世界』の著書を公刊したところ、いくつかの根本的批判を頂いた。その一つは、日本考古学の立場から、私の著書では京都府木津川市の椿井大塚山古墳までにしか言及しておらず、 その後の重要な発掘事例たる奈良県天理市柳本古墳群中にある黒塚古墳に触れていないこと、同古墳は椿井 大塚山古墳と同じく三〇数面の舶載鏡を出土したこと、しかも邪馬台国畿内説の考古事例として有名な桜井 市の箸墓古墳や纏向遺跡などに近いことが重要とされる。次の批判は明言されてはいないが、中国鏡研究の事例が蒐集事例のみで、考古事例は部分的指摘に止まっている点である。これは分かり易く言えば、中国考古学学術誌である『考古』『文物』のデータベースの作成が要請されるということである。

 

本書の狙いは前著の補充ではあるが、単なる付け加えではない。考古事例や鏡鑑資料の物による検討は個例が増加しただけ新事実が付加されるのは当然である。そこにいかなる新発見があるか、甚だ興味深いものがある。ただ、ここで特記しておきたいのは前著の段階でもすでに先行研究として存在し、その問題提起は決して無視できない価値を有する中国社会科学院考古研究所王仲殊氏の所説について、前著では敢えて検討しなかった。それを本書の第一章として取り上げて、その研究の重要な成果と逆に研究史上看過できない問題点や疑問点を整理し、その批判点の論点を具体的に述べ、本書の考察の前提を確立したいと考えた。さらに王仲殊氏の研究を三角縁神獣鏡問題の新領域として位置付け、その十全な検討を目指すことを本書の課題とした。これが本書を『三角縁神獣鏡と東アジア世界 続』と名付けた所以である。

 

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