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華北の発見

華北の発見

◎「華北」とはいかなるものか,「地域概念としての華北」・「華北農村と華北地域経済史」の二部構成より解明する

著者 本庄比佐子
内山 雅生
久保 亨
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 近現代
出版年月日 2014/04/01
ISBN 9784762995583
判型・ページ数 A5・370ページ
定価 6,600円(本体6,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに(本庄比佐子)
第Ⅰ部 地域概念としての華北
 第1章 華北地域概念の形成と日本 ……………………………………………………………… 久保 亨
     書名に現れた華北地域/日本語文献の華北地域概念,1870年代~1900年代/日本語
文献の華北地域概念,1910年代~30年代/日本人の華北概念形成の背景/日本人の
華北認識の歴史的意味
  第2章 「西北」概念の変遷 …………………………………………………………………… 吉澤誠一郎
      明代の場合/清代の場合/民国時代の場合
  第3章 ドイツ・中国関係史からみた華北 ……………………………………………………… 浅田進史
      中国区分論の始まり/19世紀末以降のドイツの対中国政策と中国区分の変容
  第4章 新聞記事から見る華北認識 ……………………………………………………………… 富澤芳亜
      「華北」をキーワードとした分析/「北支」と「北清」をキーワードとした1912~
      29年の記事の分析/混乱の1920年代
  第5章 朝鮮在住日本人の華北認識 ……………………………………………………………… 松重充浩
      『朝鮮及満洲』における華北認識:満洲事変以前/『朝鮮及満洲』における華北認識
:日中戦争開始以前/『朝鮮及満洲』における華北認識:日中戦争開始以降/朝鮮か
らみた華北の位置付け
  第6章 戦時期華北在住日本人の華北認識 …………………………………………………… 田中比呂志
      日本の新聞に見る中国,華北・北支,山西の位置づけの変化/華北に暮らした日本
      人たち/華北に暮らした日本人の見た中国,華北,山西
  第7章 旅先としての華北 ………………………………………………………………………… 瀧下彩子
      満洲旅行の展開/北支への視線/鮮満観光から鮮満支観光へ
 第Ⅱ部 華北農村と華北地域経済史
  第8章 戦時期日本の中国農村研究と華北 ……………………………………………………… 内山雅生
      天野元之助の華北地域認識/福武直の華北地域認識/平野義太郎の華北認識/戦時期
の華北地域認識
  第9章 民間信仰からみる江南農村と華北農村 ………………………………………………… 佐藤仁史
      江南農村における祠・廟と村落社会/華北農村における祠・廟と村落社会/発見され
      た華北農村――福武直の議論を中心に
  第10章 農業生産からみた華北農村経済の特質 ……………………………………………… 弁納才一
      穀物類の生産状況/蘇淮地区と山西省北部/農村経済状況――華北型と華中型
  第11章 村の文書からみた現代華北農村 …………………………………………… 張 思(河野正訳)
      華北の村の文書の調査と整理/文書から再考する現代華北農村
  第12章 21世紀の「華北農村慣行調査」村 ………………………… リンダ・グローブ(古泉達矢訳)
      沙井村/静海県馮家村/欒城県寺北柴村/平原県後夏寨村/華北農村の変化をいかに
      理解するか
  第13章 華北の交通システム近代化と都市の変動 ……………………………… 江 沛(泉谷陽子訳)
      華北経済の近代への転換と交通システム/華北における都市の機能転換/華北におけ
      る都市構造の再編
  第14章 中国の近代華北地域史研究の現状と展望 ………………………… 張 利民(吉田建一郎訳)
      主な研究機関,研究者と研究状況/他の地域史研究との比較と不足点/今後の展望
   執筆者紹介/索 引

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内容説明

【はじめに より】(抜粋)

  広大な領域をもつ中国の歴史,社会,文化などを考察するうえで,その地域的多様性は重要な研究関心 となる問題の一つであることは言うまでもない。そして近代の日中関係史においては,日本の中国への進出,侵略と関連して行われた中国各地における調査の報告や記録,それらに基づいた研究が示すところである。東洋文庫近代中国研究班では,戦前・戦中期に日本の各種調査研究機関が中国で行った調査の報告書及び資料に関する研究を行ってきたが,なかでも重要な調査対象地域であった華北に重点を置いてきた。

その過程で,「華北」とはどの範囲であり,それを規定する要件は何か,といった地域概念が曖昧であり,一定していないことを認識するに至った。ここに華北の地域概念を中心テーマとする本書を編み,「華北の発見」と題する由縁である。

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