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江戸狂歌壇史の研究

江戸狂歌壇史の研究

天明狂歌から地方伝播まで――江戸狂歌壇の諸相と展開を精緻に分析・検証し明らかにする

著者 石川 了
ジャンル 日本古典(文学) > 近世文学 > 俳諧狂歌
出版年月日 2011/03/30
ISBN 9784762935831
判型・ページ数 A5・750ページ
定価 19,800円(本体18,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

【内容目次】
序説 江戸狂歌の流行―天明末期までを中心に― 
第一章 天明狂歌をめぐる諸相
  第一節 浜辺黒人による江戸狂歌の出版
  第二節 唐衣橘洲・四方赤良と三囲稲荷狂歌会
  第三節 『狂歌若葉集』の編集刊行事情
第四節 『狂歌師細見』の狂歌作者比定
  第五節 連について―唐衣橘洲一派を中心に―
第六節 「天明狂歌」名義考
第二章 江戸狂歌作者点描
  第一節 大田南畝と山道高彦・吉野葛子夫妻
  第二節 『蜀山人自筆文書』―長崎出役前後の南畝から江戸の高彦へ―  
  第三節 大田南畝書簡十通
第四節 朱楽菅江
  第五節 小金厚丸と旭間婆行―狂歌資料から見る洒落本作者―
  第六節 浅草庵の代々
第七節 黒川春村門人村田元成―天明狂歌作者加保茶元成の孫―
第三章 江戸狂歌の周辺
  第一節 江戸狂歌の地方伝播―天明期の尾張を中心に―
  第二節 入花制度の展開
第三節 狂歌本の読本摂取―文政・天保期における試み―
第四章 江戸狂歌文化と尾張戯作界
  第一節 尾張戯作者の背景―洒落本作者を中心に―
  第二節 万巻堂菱屋久八の狂歌・戯作活動―若き日の本居内遠―
  第三節 『繍像百人狂謌弄花集』の成立とその意義
  第四節 花山亭笑馬の生涯―付、二酔亭佳雪―
  第五節 小寺玉晁の狂歌活動と山月楼扇水丸   
第六節 尾張耽古連の活動
  第七節 雑賀重良氏旧蔵書に見る尾張と美濃の狂歌資料
付篇 資料翻刻
   (1)『繍像百人狂謌弄花集』―尾張狂歌作者590名713首―
   (2)『草庵五百人一首』―黒川春村門人等250名各1首―
   (3)『諸家小伝録』小伝集の部―天保期狂歌作者81名―
初出一覧/あとがき/人名索引・書名索引

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内容説明

本書は、近世中後期を中心に天明狂歌の一大ブームを巻き起こして地方にも伝播した江戸狂歌の生成・流行の実態を検証し、明らかにするものである。上方とは異なる江戸独自の文化が形成された十八世紀は江戸文芸において極めて注目すべき時期であり、江戸狂歌もこうした中から発生した。主導者橘洲・赤良・菅江の活動はもとより、身分職業や老若男女を問わず、特に吉原・歌舞伎関係者や出版者に至るまで浸透した江戸狂歌界の動向と、それに伴う狂歌本出版の動きに留意しつつ、その実状を多角的且つ具体的に解き明かすとともに、江戸狂歌文化の影響を強く受け、地方伝播した尾張戯作界についても検討する。

付篇の資料翻刻『繍像百人狂謌弄花集』『草庵五百人一首』には所収肖像画も併せて収録。

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