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風月機関と明清文学

風月機関と明清文学

妓女・遊里の世界に誘うー『明代の遊郭事情 風月機関』の姉妹編なる!

著者 小川陽一
ジャンル 中国古典(文学) > 明清
出版年月日 2010/07/15
ISBN 9784762928796
判型・ページ数 A5・180ページ
定価 4,400円(本体4,000円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

【はしがき】より

本書は『明代の遊郭事情風月機関』(平成十八年三月、汲古書院)の姉妹編である。前書には、明代の日用類書に収められている『風月機関』所収の本文・原注および訳者注を載せた。本書には前書の訳者注に続いて、新たに『風月機関』所収の遊郭関連記事と通じ合う明清の小説・戯曲・詩歌などの記述を拾い上げ、補注として載せた。これによって、いささかなりと『風月機関』の理解を深めるとともに、明清文学の遊郭関連記述の理解も深めようとした。前書では、『風月機関』の本文(影印と翻刻)と原注の翻訳が中心で、その本文・原注自体が「明代の遊郭事情」であるが、その情報を補足拡大した訳者注は、ごく簡単なものに止めた。それは、前書の凡例に掲げたように、関連する文学作品の指摘や比較考察は、別書に譲る原則に従ったからである。本書がその別書に相当するものである。

 中国には、わが国の藤本箕山の『色道大鏡』に代表されるような、体系的でかつ壮大にして具体的な遊里の風俗史的・社会史的な研究資料は存在しない。清末の虫天子が編纂した『香艶叢書』には、三百余種の女性関連詩文の書が収められており、少なからぬ妓女遊郭関連記事も含まれてはいるものの、その多くは妓女の事跡や詩詞で、妓女や遊里の社会史的な記録は稀である。『風月機関』はその『香艶叢書』にも収められていない貴重な資料だが、それとても『色道大鏡』には及ぶべくもない、ささやかなものである。明清の遊郭の具体的な情況は、当時の小説・戯曲・詩歌などの中に散在する断片的な記述を寄せ集めることによってしか、知り得ないのが現状である。なお明清文学と称してはいるが、実際には、一部元雑劇を含む明末清初を中心とする、十六世紀ころから十八世紀ころの作品が主であることも申し添えておきたい。

【内容目次】

  はしがき・凡  例

 第一章 遊郭総論【一】―【五】          

 第二章 あそびかた総論【六】―【一六】

 第三章 妓女の性情【一七】―【二七】     

 第四章妓女の心を読め【二八】―【三四】

 第五章 妓女対客十箇条【三五】          

 第六章 妓女にもてる法【三六】―【四二】

 第七章 妓女の思惑を知れ【四三】―【五一】   

 第八章 遊郭のタブー【五二】―【六二】

 第九章 本心を読みとれ【六三】―【七二】      

 第十章 女郎買いいろいろ【七三】―【八六】

 第十一章 遊郭の真と仮【八七】―【一一一】    

 第十二章 遊郭事情あれこれ【一一二】―【一四四】

 付「勧世誦」一首 「西江月」一首

 あとがき

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