目次
凡 例
〔一〕 はじめに
〔二〕 時代背景――「まさに変の有らんとす」
〔三〕 清の政局
〔四〕 奴隷の家系
〔五〕 誕 生
〔六〕 金陵の旧宅
〔七〕 曹家の大難
〔八〕 百足の虫
〔九〕 大難ふたたび
〔十〕 満人と漢人
〔十一〕 正邪の両具
〔十二〕 流浪転々
〔十三〕 空室監禁
〔十四〕 俳優に交わる
〔十五〕 雑 学
〔十六〕 職 務
〔十七〕 交 友
〔十八〕 虎門にて燭を剪る
〔十九〕 詩 胆
〔二十〕 文筆の日々
〔二十一〕 山村いずこ(一)
〔二十二〕 山村いずこ(二)
〔二十三〕 黄葉のもとの執筆
〔二十四〕 村塾の友
〔二十五〕 年余の一別
〔二十六〕 南 遊
〔二十七〕 脂 硯
〔二十八〕 苑 召
〔二十九〕 佩刀質酒
〔三十〕 文星隕つ
〔三十一〕 のちの事(一)
〔三十二〕 のちの事(二)
〔三十三〕 余 音
〔附録一〕 補 注
〔附録二〕 曹雪芹の生家と雍正朝
〔附録三〕 曹雪芹と江蘇
(付図表)
『曹雪芹小伝』跋語 (伊藤漱平)
索 引
内容説明
本書は、『紅楼夢』の作者である曹雪芹の生涯を記した周汝昌著『曹雪芹』(1964)の日本語訳である。
本日本語訳は、周汝昌氏と深い交流のある小山澄夫先生が長年の歳月をかけて訳出し、豊富な訳注を付したものである。また、紅楼夢研究の第一人者であった伊藤漱平先生にも一部訳業に携わっていただき、曹雪芹の真の姿に迫るものある。
曹雪芹は、乾隆時代のひとりの小説家として、『紅楼夢』の作中描写にも深く関わる特殊な出自と特異な経歴とをそなえていた。本書は、曹雪芹の生涯を明らかにすることで、時代背景だけでは説明しきれない「曹雪芹だけが『紅楼夢』を著作しえた理由」を探るものである。