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訳註『名公書判清明集』懲悪門  新刊

訳註『名公書判清明集』懲悪門

◎『訳注稿』刊行より三十年、最新の研究成果をふまえ全面的に新たな訳註を施した改訂増補版!

著者 大澤 正昭 監修
佐々木 愛 責任編集
清明集研究会 訳註
石川 重雄 編集
戸田 裕司 編集
小島 浩之 編集
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 宋元
東洋史(アジア) > 明清
出版年月日 2024/03/22
ISBN 9784762967405
判型・ページ数 A5・450ページ
定価 9,900円(本体9,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

まえがき (戸田裕司)
凡例
関連地図
南宋時代の司法行政系統図

解説 南宋時代の法と裁判――『清明集』を読むために――(徳永洋介)


訳註『名公書判清明集』懲悪門 本編

姦 穢(一~一〇)
 逼姦                   
 告姦而未有實跡各從輕斷
 士人因姦致爭既收坐罪名且寓敎誨之意 
 貢士姦汚
 僧官留百姓妻反執其夫爲盜    
 道士姦從夫捕
 吏姦                
 因姦射射
 兵士失妻推司受財不盡情根      
 捉丁氏子丙

誘 略(一一) 
 誘人婢妾雇賣

豪 橫(一二~二五)
 豪橫爲惡貫盈豪            
 强
 豪橫                 
 押人下郡
 豪民越經臺部控扼監司
 詐官作威追         
 人於死
 治豪橫懲吏姦自是兩事
 與貪令捃摭鄕里私事用配軍爲爪牙豐殖歸己 
 檢法書擬
 斷罪                  
 結托州縣
 蓄養罷吏配軍              
 奪人之產、罪惡貫盈
 又判                  
 檢法書擬
 斷罪
 擧人豪橫虐民取財
 檢法書擬                
 斷
 何貴無禮邑令事
 不納租賦擅作威福停藏逋逃脅持官司
 母子不法同惡相濟

把 持(二六~三四)
 訟師官鬼                
 專事把持欺公冒法
 把持公事趕打吏人            
 先治依憑聲勢人以爲把持縣
 道者之警敎唆與吏爲市          
 責決配狀
 士人敎唆詞訟把持縣官          
 先治敎唆之人
 懲敎訟

譁 徒(三五~三七)
 譁鬼訟師                
 撰造公事
 譁徒反覆變詐縱橫捭闔

告 訐(三八~四六)
 誣訐                  
 豪與譁均爲民害
 資給告訐                
 資給誣告人以殺人之罪
 資給人誣告               
 敎令
 誣訴致死公事              
 自撰大辟之獄
 叔告其姪服内生子及以藥毒父       
 告訐服内親

妄 訴(四七~五七)
 妄以弟及弟婦致死誣其叔         
 妄訴者斷罪枷項令衆候犯人替
 以劫奪財物誣執平人           
 不應末減 
 以女死事誣告              
 妄論人據母奪妹事            
 妻自走竄乃以劫掠誣人          
 姊妄訴妺身死不明而其
 夫願免檢驗               
 叔誣告姪女身死不明
 釘脚                  
 挾讎妄訴欺凌孤寡
 鄰婦因爭妄訴

拒 追(五八)
 峒民負險拒追

誣 賴(五九~六三)  
 以死事誣賴               
 以叔身死不明誣賴
 以纍經結斷明白六事誣罔脱判昏賴田業   
 假爲
 弟命繼爲詞欲誣賴其堂弟財物       
 又判
 提擧司判                
 王方再經提刑司釘錮押下縣
 騙乞

姦 惡(六四~六九)
 元惡                  
 殺人放火
 捕放生池魚倒祝聖亭           
 一狀兩名
 把持公事欺騙良民過惡山積        
 檢法書擬
 斷
 合謀欺凌孤寡

假 僞(七〇)
 假僞生藥

鬭 毆(七一・七二)
 因爭販魚而致鬭毆            
 賣卦人打刀鑷婦

賭 博(七三~七五)
 因賭博自縊               
 斷
 禁賭博有理               
 自首博人支給一半賞錢

宰 牛(七六~七八)
 宰牛當盡法施行             
 屠牛于廟
 宰牛者斷罪拆屋

妖 敎(七九・八〇)
 蓮堂傳習妖敎              
 痛治傳習事魔等人

淫 祠(八一~八四)
 不爲劉舍人廟保奏加封          
 非敕額者竝仰焚毀
 先賢不當與妖神厲鬼錯雜         
 計囑勿
 毀淫祠以爲姦利

淫 祀(八五・八六)
 寧鄕段七八起立怪祠           
 行下本路禁約殺人祭鬼

誑 惑(八七~八九)
 劉良思占充廟祝             
 約束諸廟廟祝
 說史路岐人仵常掛榜縣門

巫 覡(九〇・九一)
 巫覡以左道疑衆者當治士人惑於異者亦可責   
 提刑司押下安化曹萬勝訟曹九師符禁事
 
販 生 口(九二)
 禁約販生口     

匿 名 書(九三)
 匿名榜連粘曉諭

競 渡(九四)
 競渡死者十三人

霸 渡(九五~一〇一)
 霸渡                  
 曉示過船榜文仍移文隣郡
 客人范景山訟益陽徐敎練等打檐仗     
 裴乙訴
 鄧四勒渡錢行打             
 約束張家渡乞覓
 私撑渡船取乞              
 嚴四爲爭渡錢溺死饒十四


引用・参照文献一覧
判語作者一覧
あとがき(佐々木 愛)
語句索引

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内容説明

【「まえがき」より】(抜粋)
 明版『名公書判清明集』(以下『清明集』)全十四巻は、中国南宋時代の地方官の判語(判決文・裁判文書)集である。判語の中で地方官たちは、財産・承継をはじめとする民事紛争を審理・調停し、役所での不正を摘発して綱紀を粛正するだけでなく、「邪教」に惑う民に倫理を説き、家族や女性のあるべき姿を説くなど、現代の判決文の域を超えた発言をしている。
 『清明集』は、官吏門・賦役門・文事門・戸婚門・人倫門・人品門・懲悪門の七つの分門で構成されている。「官吏」から「人品」に至る六門が、それなりに焦点が絞られた名称であるのに対して、最後の「懲悪」(悪者どもを懲らしめる)は標題から直ちに内容を想定することができない。全七門の最後に「その他いろいろ」な雑多な判語が集められているかの如くである。しかし、雑多であるからこそ、南宋地域社会のヒト・モノ・コトを多面的に映し出した、興味の尽きぬ分門となっている。
 他の分門同様「懲悪門」の判語も、法や制度が地方官庁でいかに運用されていたかを詳述する得難い法制史料である。しかし、私たちがこの史料に惹かれた理由は、地方官庁の下級職員(胥吏)や女性の社会での活動の有様、「邪教」や民衆の祭祀活動、果ては賭場や渡し場での揉め事などが、百条を超える具体的な事例として描かれる社会史料としての面白さにある。本書は、この『清明集』「懲悪門」の豊かな内容を、現代日本語で伝えようとするものである。

【凡例より】
○本書は、明版『名公書判清明集』巻一二から巻一四(懲悪門)の日本語訳註である。
○底本には、『名公書判清明集』(第二版、中華書局、二〇〇二年)を採用した。
○訳註部分の前に解説「南宋時代の法と裁判―『清明集』を読むために―」および関連地図と南宋時代の司法行政系統図を、後ろには「引用文献一覧」・「判語作者一覧」および索引を配し、読者の便を図った。



Judging the Thugs

An Annotated Translation of Cheng’ e-men, Minggongshupan Qingmingji, Southern Song,China

 

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