◎早稲田大学・北京大学による国際共同ワークショップの研究成果なる!
著者 | 河野 貴美子 編 杜 暁勤 編 |
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ジャンル | 中国古典(文学) 中国古典(文学) > 総記・論集 日本古典(文学) 日本古典(文学) > 上代万葉 > 総記・論集 日本古典(文学) > 中古文学 日本古典(文学) > 中古文学 > 総記・論集 日本古典(文学) > 中世文学 日本古典(文学) > 中世文学 > 総記・論集 日本古典(文学) > 近世文学 日本古典(文学) > 近世文学 > 総記・論集 |
出版年月日 | 2024/03/25 |
ISBN | 9784762967702 |
判型・ページ数 | A5・720ページ |
定価 | 17,600円(本体16,000円+税) |
在庫 | 在庫あり |
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目次
中国語版序言(杜暁勤)
一、早期中国の経典文献の日本における写本、刻本の研究
竹添井井『左氏会箋』の成立について (傅 剛)
早稲田大学蔵五山版『毛詩鄭箋』底本考 (孫 巧 智)
『群書治要』本『周易』校勘 (顧 永 新)
日本天野山金剛寺永仁写本『全経大意』序説 (劉 玉 才)
日本に伝わった『五行大義』にみえる
古本『春秋繁露』治順五行篇の復元と検討 (程 蘇 東)
二、日本古代漢文学と中国文学典籍の関係
日本における中国文学遺産の継承と私物化
――平安初期の勅撰集をめぐって―― (Edoardo GERLINI)
「弁正」か「辨正」か――『懐風藻』詩人の表記をめぐって―― (高松 寿夫)
「篇章」の成立――『懐風藻』序の叙述に見える重層構造―― (楽 曲)
『源氏物語』「少女」巻における漢詩文引用
――陸機「豪士賦 序」が引かれる意味―― (陣野 英則)
古代日本における『文選』伝習の特徴について (高 薇)
隋唐典籍の東伝と日本古典籍による隋唐文学研究の価値 (杜 暁 勤)
写本時代の書字と文学の媒体――『遍照発揮性霊集』を通してみる (河野貴美子)
三、日本古典文学における白居易受容について
『白氏文集』恵蕚書写本の伝来 (田中 史生)
『やうきひ物語』、『長恨歌』絵巻から見る江戸初期『長恨歌』享受の特徴 (丁 莉)
偽撰にみる白居易およびその文学
――真福寺蔵『往生浄土伝』の編纂意図をめぐって―― (李 銘 敬)
白居易詩を典故とした文之玄昌「祭師父詩」について
――『万首唐人絶句』・『古今事文類聚』参照の可能性を考える―― (大渕 貴之)
中日の類編詩集の比較に見られる白居易の律詩創作場面の新展開 (楊 照)
四、日本漢詩の研究
絶海中津の杭州中天竺寺での生活
――『蕉堅稿』作品配列に関する新見解を兼ねて―― (高 兵 兵)
頼山陽の詩学および中日詩史の源流との関係 (銭 志 煕)
五、中国古代小説と戯曲の日本における流伝と影響
明代公案小説の本文の抽毀と東アジアでの伝播
――余象斗の『皇明諸司廉明奇判公案』を例として―― (潘 建 国)
清田儋叟、曲亭馬琴と金聖歎の交鋒
――江戸時代白話小説批評の確立―― (周 健 強)
日本内閣文庫蔵明刊『太和正音譜』考 (杜 雪)
六、日本の文字、史書、仏教研究における中国古典学の視野
六朝・隋・唐の時代に起源を有する「佚存文字」
――狩谷棭斎の考証に対する検証を兼ねて―― (笹原 宏之)
『日本書紀』の読み方――「天子」をめぐって―― (新川登亀男)
南斉武帝の瑞石像と吉野寺放光樟像――仏教的祥瑞としての仏像―― (肥田 路美)
白隠禅師の「軟酥之法」とその背景 (山部 能宜)
執筆者・翻訳者紹介
翻訳者
長谷川隆一 梁嘉浩
鮫島玄樹 関俊史
森田大智 佐藤大朗
永田小絵 翟会寧
粟野友絵 冨田絵美
小田凌平 野澤亮
朱一麦 馮辰鋮
内容説明
【日本語版序言より】
本書は、二〇一八年十一月に早稲田大学で、そして二〇一九年十一月には北京大学で開催した二度の中日古典学ワークショップ(中日古典学交流與融通工作坊)の成果論集である。本論集の内容は、この日本語版に先駆けて、二〇二二年八月に中国語版論集『文献・文学・文化 中日古典学交流与融通工作坊論集・第一巻』(杜暁勤・河野貴美子主編)が北京大学出版社から刊行されている。(中略)そしてこの活動は、以下の点において、中日古典学研究の今後に向けて新たな画期を拓こうとするものである。
中国古典学研究の立場から、日本に伝存する中国古典籍に注目し、アクセスすることは、楊守敬『日本訪書志』をはじめ、近代以降盛んに行われており、近年もいわゆる「域外漢籍研究」「日本中国学」は活況を呈していることは言を俟たない。そして、中国における中国古典学研究者と日本における中国古典学研究者との連携や共同研究もまた、充実した展開をみせ、さまざまな成果があげられているところである。その一方で、中国における中国古典学研究者と日本における日本古典学研究者とを繋ぐラインは、これまで必ずしも十分に築かれてこなかったのではないか。しかしながら、中国における中国古典学研究者にとっても、また日本における日本古典学研究者にとっても、中日両国において蓄積されてきた古典籍とそれを巡る研究に関わる情報を共有することは、相互の研究の進展に必ずや大きな意味を有するものとなるはずである。そこで、中日双方の古典学研究における具体的な資料や方法について、情報を提供し合い、同じ漢字漢文文化圏共通の課題として議論の場を設けることを目指して立ち上げたのが、上記の中日古典学ワークショップ(中日古典学工作坊)である。