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汲古叢書178 漢新時代の地域統治と政権交替

汲古叢書178 漢新時代の地域統治と政権交替

◎前漢から後漢へ――政権交替はいかに成ったかを詳細に追う!

著者 飯田 祥子
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 殷周秦漢
東洋史(アジア) > 魏晋隋唐
シリーズ 汲古叢書
出版年月日 2022/12/22
ISBN 9784762960772
判型・ページ数 A5・510ページ
定価 13,200円(本体12,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

序 章 漢新時代史研究の課題
  一 地域間の統合        
  二 両漢交替期の諸政権  
  三 本書の構成

第一部 地域間の統合
 
 第一章 前漢後半期における辺郡と内郡
  一 内郡の軍団         
  二 辺郡の軍事特化    
  三 内郡における収奪の変化

 第二章 後漢時代の辺境統治
       ――放棄撤退と再建確保の政策をめぐって――
  一 安帝永初涼州撤退策     
  二 後漢王朝の辺境放棄・撤退政策   
  三 屯田と営 

 第二章附論 後漢後期・末期の西北辺境漢族社会
          ――韓遂の生涯を手がかりに――
  一 韓遂と隴右集団群      
  二 隴右集団群の首領たち 
  三 軍事力の来源
  四 西北辺境の漢族社会

 第三章 陵邑と太常――前漢首都圏経営の一側面――
  一 陵園と陵邑         
  二 陵墓への奉仕     
  三 太常の陵邑統轄 

 第四章 諸侯王国――郡国制のその後――
  一 後漢王朝の対諸侯王・王国政策 
  二 前漢の諸侯王と皇帝     
  三 劉氏と封国社会 
    
第二部 両漢交替期の諸政権

 第一章 王莽政権と諸生
  一 王莽支持のパフォーマンス  
  二 王莽と諸生      
  三 誕生の背景

 第二章 王莽の戦争
  一 王莽政権期の軍事活動    
  二 翟義・槐里反乱征伐戦争  
  三 王莽新王朝の功臣

 第三章 更始政権の人事
  一 更始政権の官僚       
  二 更始政権の人的変質

 第四章 公孫述政権の興亡
  一 版図拡大戦略        
  二 直接支配地域の安定性 
  三 勢力圏の形成   

 第五章 劉秀の列侯――初期後漢王朝の人的構成――
  一 劉秀即位前         
  二 即位から関東平定   
  三 公孫述平定まで
  四 統一後

 第六章 建武王公考
  一 建武十三年以前       
  二 王と公

附 篇

 附篇一 漢代の同産をめぐって
  一 「同産」           
  二 「同産」以外のキョウダイ  
  三 「同産」の場

 附篇二 後漢諸侯王の相続――紹封制のゆくえ――
  一 後漢諸侯王の襲封状況    
  二 和帝期          
  三 安帝期
  四 順帝から桓帝期     
  五 紹封の空白

あとがき
旧稿初出一覧
索 引

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内容説明

【序章 より】
 中国では、広大な地域が一つの国家によって統治され、唯一の皇帝を戴く体制が古くからみられ、それは 多くの時代において理想視された。このような体制はいかにして形成されたのかという疑問は、中国古代史研究の根本的な問いの一つであるといってよい。中国古代史研究の課題の中心には、中央集権的広領域国家の形成があった。しかしながら、ある政権が広大な版図を領有するという現象それ自体は、軍事力や指導力にもとづく征服活動の成否の問題である可能性がある。一方、国家がその状態を保ち持続するか否かは、軍事力や指導力だけによるのではない。広領域の国家が維持され、国家像の一つとなるにいたる過程の解明もまた、重要な課題となる。本書では、それを両漢時代において、地域間の統合を実現した構造と、社会の政治的統合の様相から考察したい。
……本書第一部では、前漢後半期から後漢時代について、軍事負担と地域性の視点を中心に、地方統治にかかわる事象から、地域間の統合のあり方について検討をくわえる。
 第二部では、政治的中枢の担い手の問題を、両漢交替期に限定して検討する。両漢交替期とは前漢王朝の末期から、王莽新王朝を経て後漢王朝成立期までをいう。漢は王莽によって簒奪され、光武帝劉秀によって再建された。王莽政権期から光武帝の再統一まで四〇年弱のうちに、地方割拠勢力もふくめれば、複数の政権の興亡がくりかえされた。これらの興亡における政権と成員の関係を考察する。


Central Control on Local Administration and Regime Changes in the Han-Xin period

 

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