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三國政権の構造と「名士」 増補版

三國政権の構造と「名士」 増補版

◎待望の名著――増補版刊行なる!

著者 渡邉 義浩
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 殷周秦漢
東洋史(アジア) > 魏晋隋唐
出版年月日 2020/12/21
ISBN 9784762966736
判型・ページ数 A5・772ページ
定価 13,200円(本体12,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

序 論
 第一節 所有と文化
  一、日本における貴族制研究の展開    
  二、「通」――玄儒文史・儒佛道――
  三、貴族の根底たる「儒」と皇帝の文化愛好
 第二節 中国貴族制と文化資本論の射程
  一、文化資本論と「名士」論  
  二、貴族と貴族制の乖離  
  三、「古典中國」の再生産性
 第三節 三國時代の諸問題
  一、史料    
  二、政治   
  三、経済・法制      
  四、文化

第一章 「名士」層の形成
 第一節 漢魏交替期の社会
  一、後漢末期の豪族と在地社会 
  二、「名士」層の形成   
  三、「名士」と在地社会
  四、三國政権と「名士」層
 第二節 「史」の自立
  一、人物評価         
  二、別傳の盛行      
  三、史料批判
 第三節 袁紹と公孫瓚
  一、四世三公         
  二、袁紹政権の構造    
  三、「名士」と君主権力

第二章 蜀漢政権論
 第一節 劉備集団と荊州「名士」
  一、荊州客居以前の劉備と臣下      
  二、劉表政権と荊州「名士」社会
  三、諸葛亮と三顧の禮          
  四、蜀漢政権の成立と荊州人士の優越
 第二節 蜀漢政権の支配と益州社会
  一、劉焉・劉璋政権の構造        
  二、劉備の入蜀と益州人士の動向
  三、諸葛亮の益州支配政策        
  四、諸葛亮の北伐
  五、「名士」社会の分裂と蜀漢政権の滅亡  
 第三節 死して後已む――諸葛亮の漢代的精神――
  一、水魚の交わり  
  二、臥龍  
  三、泣いて馬謖を斬る  
  四、器能を盡くせるに服す 
 第四節 諸葛亮像の変遷
  一、「忠」臣と有能な政治家の狭間  
  二、正閏論に向けて    
  三、偉大なる軍師
  四、「忠義」の臣と神仙と      
  五、『三國志演義』の諸葛亮像

第三章 孫呉政権論
 第一節 孫呉政権の形成と「名士」
  一、孫氏の台頭  
  二、袁術と孫氏  
  三、北来「名士」と江東人士   
  四、赤壁の戦 
 第二節 君主権の強化と孫呉政権の崩壊
  一、張昭の行方  
  二、孫呉「名士」社会  
  三、二宮事件  
  四、諸葛恪政権  
  五、醒めた孫晧

第四章 曹魏政権論
 第一節 曹操政権の形成
  一、曹操政権をめぐる諸研究     
  二、曹操と「名士」との出会い   
  三、徐州大虐殺
  四、荀彧の加入と潁川「名士」    
  五、曹魏政権の展開
 第二節 「寛」治から「猛」政へ
  一、後漢の「寛」治   
  二、「猛」政への傾斜 
  三、肉刑復活論と潁川「名士」
 第三節 「文學」の宣揚
  一、「名士」の有用性  
  二、唯才主義と儒教  
  三、建安文學の興隆   
  四、建安文學の終焉
 第四節 中国における「文」概念の展開
  一、儒教への従属    
  二、「文」の自覚と自立    
  三、美への傾斜
  四、「古典中國」の「文」への回帰
 第五節 洛陽曹魏墓と曹操高陵
  一、洛陽曹魏墓の位置と墓葬     
  二、曹操高陵の特徴    
  三、墓制の継承
 第六節 「公」と「私」
  一、漢魏革命の正統性  
  二、天下を公と爲す  
  三、国家権力と君主権力  
  四、愷悌の君子
 第七節 浮き草の貴公子 何晏
  一、浮萍草       
  二、舜の無爲     
  三、玄學に基づく人事
 第八節 九品中正制度における「孝」
  一、「名士」の文化的価値の根底   
  二、曹氏と「孝」       
  三、司馬氏の「孝」
 第九節 魏晉南北朝における「品」的秩序の展開
  一、性三品説と九品中正制度     
  二、藝術論の「品」的秩序   
  三、品を規定する「氣」
 第十節 呻吟する魂 阮籍
  一、若き日の志と後半生の韜晦    
  二、曲學阿世         
  三、権力からの自律性

結論 偉大たりし漢、果断なる魏

文献表
附表
あとがき

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内容説明

本書は、二〇〇四年に刊行した『三國政権の構造と「名士」』に、新たに五篇の論文を加え再構成したものである。新たな論文は以下である。

序 論 第二節 中国貴族制と文化資本論の射程
第二章 第四節 諸葛亮像の変遷
第四章 第四節 中国における「文」概念の展開
第四章 第五節 洛陽曹魏墓と曹操高陵
第四章 第九節 魏晉南北朝における「品」的秩序の展開

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