目次
第一節 『毛序』成立考――古文學との比較を中心として――
(一)はじめに
(二)『春秋左氏傳』中の詩
(三)『春秋左氏傳』中の逸詩
(四)『毛序』について
(五)おわりに
第二節 『詩』の原義と『郭店楚墓竹簡』茲衣篇――『毛序』の都人士篇解釋を中心に――
(一)はじめに
(二)聞一多の詩研究
(三)『毛詩』と『毛序』の摽有梅編解釋
(四)「茲衣篇」の詩解釋
(五)おわりに
第三節 『上博簡一』「孔子詩論」から見た『毛詩』齊風の詩意
――東方未明篇と猗嗟篇を中心として――
(一)はじめに
(二)『毛詩』の齊風
(三)『上博簡一』「孔子詩論」に見える東方未明篇
(四)『毛序』『毛傳』や傳世文獻の東方未明篇解釋
(五)東方未明篇の原義的解釋と「孔子詩論」
(六)『上博簡一』「孔子詩論」の猗嗟篇解釋
(七)おわりに
第四節 『淸華簡一』金縢篇所見の周公の事績と豳風『毛序』
(一)はじめに
(二)『尚書』の今古文問題
(三)『淸華簡』「金縢篇」『尚書』「金縢篇」および『史記』
(四)金文から見た周公の事績
(五)『淸華簡』「金縢篇」と傳世文獻に見える周公
(六)『淸華簡』「金縢篇」と豳風『毛序』
(七)おわりに
第五節 『毛序』研究の現状について――鈴木説・猪口説批判――
(一)はじめに
(二)問題のありか
(三)鈴木修次氏の『毛序』を「首序」と「績序」に区分する説について
(四)猪口篤志氏の『毛序』の古序が孟子およびその門人の作であるという説について
(五)おわりに
第六節 『毛序』研究の近況と課題
第七節 結 語
第二章 『毛傳』について
第一節 「王事靡盬」解釋から見た『毛傳』の訓詁態度
(一)はじめに
(二)『毛傳』による「王事靡盬」解釋
(三)他文獻の「王事靡盬」解釋
(四)「王事靡盬」解釋における『毛傳』の立場
(五)おわりに
第二節 『詩經』旄丘篇解釋から見た『毛傳』の訓詁態度
(一)はじめに
(二)旄丘篇の原義
(三)『毛傳』による旄丘篇解釋
(四)他文獻の「旄丘篇」解釋
(五)おわりに
第三節 『詩經』征役詩解釋から見た『毛傳』の訓詁態度
(一)はじめに
(二)『毛詩』唐風・鴇羽篇
(三)小雅・鹿鳴之什・四牡篇
(四)小雅・鹿鳴之什・采薇篇
(五)おわりに
第四節 『詩經』解釋史序説――關睢篇の經學的解釋とその評價をめぐって――
(一)はじめに
(二)『毛傳』の關睢篇解釋
(三)秦・漢期の他文獻の關睢篇解釋と『毛傳』
(四)おわりに
第五節 結 語
第三章 『毛詩』について
第一節 三家詩と『毛詩』――關睢篇を中心として――
(一)はじめに
(二)周南・關睢篇の原義的解釋
(三)先秦における『詩』
(四)漢代の關睢篇
(五)おわりに
第二節 『上博簡一』「孔子詩論」所引の詩解釈――周頌・淸廟之什・淸廟篇を中心として――
(一)はじめに
(二)「孔子詩論」第五號簡所引淸廟篇の原初的意味
(三)『毛傳』と『毛序』の周頌・淸廟之什・淸廟篇解釋
(四)「孔子詩論」第五號簡の淸廟篇解釋
(五)おわりに
第三節 『上博簡一』「孔子詩論」の甘棠篇解釋から見る詩の成立
(一)はじめに
(二)『上博簡一』「孔子詩論」の甘棠篇解釋
(三)『毛傳』『毛序』の甘棠篇解釋
(四)先秦から漢代にかけての甘棠篇の引用について
(五)おわりに
第四節 『上博簡一』から見た『毛詩』に見える「緝熙」の解釋
(一)はじめに
(二)現行本『毛詩』に見える「緝熙」とその解釋
(三)「緝熙」の原義について
(四)おわりに
第五節 『淸華簡一』旨阝(耆)夜篇に見える「誦」と「訶」の解釋
(一)はじめに
(二)『淸華簡一』「耆夜篇」に見える「誦」と「訶」
(三)『毛詩』に見える「誦」と「歌(訶)」
(四)傳世文獻にに見える「誦」と「訶」の解釋
(五)おわりに
第六節 結 語
第四章 『詩經』に關わるその他の諸問題
第一節 『鹽鐵論』詩説研究
(一)序 論
(二)本 論
第二節 『詩經』周頌・淸廟之什に見える祖靈祭祀について
(一)はじめに
(二)『詩經』周頌・淸廟之什に見える祖靈祭祀
(三)おわりに
第三節 『詩經』に見える祖靈――周頌・淸廟之什の祖靈祭祀を中心に――
(一)はじめに
(二)「頌」の古代宗教性
(三)淸廟之什に見える原初の祖靈
(四)最高神・天と祖靈の祭祀
(五)おわりに
第四節 天作篇と我將篇理解から見る荀子詩説の『詩經』解釋史上の意義
(一)はじめに
(二)天作篇と我將篇の原義的意味
(三)『孟子』の詩中の「天」についての理解
(四)『荀子』所引の天作篇の解釋
(五)傳世文獻の天作篇および我將篇の引用について
(六)おわりに
第五節 結 語
主要参考文献
あとがき
索 引
中文要旨
内容説明
【「まえがき」より】(抜粋)
『詩經』は、『書經』と竝んで經書として數えられる文獻の中で最も古くから定着したものの一つであろう。しかし、それは現行のものとは必ずしも同じものではなく、現行の狀態になるまでには、複雜に曲折している來歷がある。實際我々がみることができる現行本『詩經』は『毛詩』と稱される。
本書は、『毛詩』のテキスト及び『毛傳』『毛序』の解釋が先秦から存在したということを無前提に容認し、これらの『詩』理解に基づいて楚簡・漢簡等を讀解する従來の方法を打破し、一、戰國期の「楚簡」等に見える楚系文字の『詩』理解、二、前漢代の『馬王堆帛書』や『阜陽漢簡』等に見える「漢簡今文」期の『詩』理解、三、古文系『毛詩』(『毛傳』『毛序』を含む)による『詩』理解、という三つの層を想定し傳世文獻が引用する『詩』理解を随時織り込みつつ檢討することにより、『毛詩』『毛傳』『毛序』が先秦からあったという先入觀を排除して、戰國期から漢代の『詩』の實態を當時の事實に卽して部分的にではあるが究明することを目標とした。
Literary Research on Mao-shi (毛詩): Focusing on a comparison with excavated research