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「春秋」新研究

「春秋」新研究

◎『原左氏伝』から『春秋左氏経』 『春秋経』テキストが成立したとの新説を提示する

著者 吉永 慎二郎
ジャンル 中国思想・哲学
中国思想・哲学 > 先秦漢
出版年月日 2019/05/24
ISBN 9784762966255
判型・ページ数 B5・668ページ
定価 16,500円(本体15,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに
凡例

第一部 『原左氏傳』からの『春秋左氏經(春秋經)』『左氏傳』の成立メカニズム
  
 第一章
 (一)先秦の「春秋」テキストと「春秋」學―「春秋」テキストの六段階―
 (二)『春秋左氏經』文の〈四種類型文〉と分析結果
              ―『原左氏傳』からの抽出・編作による『經』の成立―
 (三)〈無傳の經文〉の制作の意味―歴史記事の消去と作為―
 (四)『左傳』文の〈四類型〉と〈無經の傳文)の意味―文公期傳文の分析例より―
 【参考】上記以外の主な文献(先秦より漢代に至る)の
             「春秋」の言及と春秋(左氏)經の日食記事について

 第二章
 (一)『原左氏傳』から『春秋經』の成立に至る三段階とその年代比定
 (二)『原左氏傳』と『春秋左氏經(春秋經)』『左氏傳』の「暦法」並びに三正論について          
 (三)『原左氏傳』の当年即位・踰年称元法から『春秋左氏經』の踰年称元・正月即位法へ  
 (四)『原左氏傳」と清華簡『繫年』における即世と即位―『春秋經』の正月即位法の再検討―

 第三章
 (一)『原左氏傳』所載魯史から見たその著作意図―「嫡庶の論」と季氏の專権―       
 (二)『原左氏傳』所載晉史から見たその著作意図―曲沃の晉侯から三晉へ―
 (三)『原左氏傳』所載楚史から見たその著作意図―「楚子」と「天王」と「天下の春秋」―
 (四)『原左氏傳』所載齊史から見たその著作意図―姜齊と陳氏(田齊)―
 (五)『原左氏傳』著作意図について 
  
 第四章
 (一)『原左氏傳』及び『左傳』の評言の再検討と春秋テキストの重層性(一)
                   ―「孔子曰」「仲尼曰」について 
 (二)『原左氏傳』及び『左傳』の評言の再検討と春秋テキストの重層性(二)
                   ―「君子以爲」「君子是以知」「君子謂」について 
 (三)『原左氏傳』及び左傳の評言の再検討と春秋テキストの重層性(三)
                   ―「君子曰」について

 第五章 
 (一)『春秋左氏經』の作経原則としての〈凡例〉について
 (二)『春秋左氏經』の〈解經文〉について
 (三)『原左氏傳』の「礼」の思想から『春秋左氏經(春秋經)』の「名」の思想へ
 (四)『春秋左氏經(春秋經)』の著作意図について


第二部 春秋二百四十四年全左氏經文の抽出・編作挙例と全左傳文の分析

 第一章 
 (一)隠公期全左氏經文の抽出・編作挙例と隠公期全左傳文の分析
 (二)隠公期全左氏經文の四種類型文の分布状況


 第二章 
 (一)桓公期全左氏經文の抽出・編作挙例と桓公期全左傳文の分析 
 (二)桓公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第三章 
 (一)荘公期全左氏經文の抽出・編作挙例と莊公期全左傳文の分析                    
 (二)莊公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第四章 
 (一)閔公期全左氏經文の抽出・編作挙例と閔公期全左傳文の分析
 (二)閔公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第五章 
 (一)僖公期全左氏經文の抽出・編作挙例と僖公期全左傳文の分析
 (二)僖公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第六章 
 (一)文公期全左氏經文の抽出・編作挙例と文公期全左傳文の分析
 (二)文公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第七章 
 (一)宣公期全左氏經文の抽出・編作挙例と宣公期全左傳文の分析
 (二)宣公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第八章 
 (一)成公期全左氏經文の抽出・編作挙例と成公期全左傳文の分析
 (二)成公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第九章 
 (一)襄公期全左氏經文の抽出・編作挙例と襄公期全左傳文の分析
 (二)襄公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第十章 
 (一)昭公期全左氏經文の抽出・編作挙例と昭公期全左傳文の分析
 (二)昭公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第十一章
 (一)定公期全左氏經文の抽出・編作挙例と定公期全左傳文の分析
 (二)定公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第十二章
 (一)哀公期全左氏經文の抽出・編作挙例と哀公期全左傳文の分析
 (二)哀公期全左氏經文の四種類型文の分布状況

 第十三章 春秋二百四十四年全左氏經文における四種類型文の分布状況


後記
英文要旨
中文要旨
事項・人名索引

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内容説明

【後記より】

中国哲学・哲学史研究・思想史研究及び歴史研究において、春秋経テキストの成書問題は千古の難問である。

孔子制作説などの経学的通説はさすがに相対化されているが、春秋経は客観的な春秋時代の魯国の歴史記述であるとしてその基軸の上に構築される理論や学説は後を絶たない。それは従来の春秋及び左伝研究では春秋経テキストそのものを相対化する視点が生まれてこなかったからである。

本書の、『原左氏伝』からの『春秋左氏経』と『左氏伝』の成立、さらに『春秋左氏経』からの『春秋経』の成立という、従来の視点のコペルニクス的転換による見地と論理が初めて春秋経テキストの相対化、即ち歴史実証的な位置づけ、の橋頭堡を提起したことになる。ここに本書の研究の独創性と意義があると言えよう。



A new study on the formation of《Chun qiu Jing (春秋經)》《Zuo shi Zhuan (左氏傳)》from《The original text of Zuo shi Zhuan (原左氏傳)》and Analysis of all sentences of 《Chun qiu Zuo shi Jing (春秋左氏經)》and 《Zuo shi Zhuan (左氏傳)》

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