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古典研究会叢書漢籍之部 第三十八巻 昌黎先生集

古典研究会叢書漢籍之部 第三十八巻 昌黎先生集

◎静嘉堂文庫の貴重な宋原刻本の影印!

著者 佐藤 保
ジャンル 中国古典(文学)
中国古典(文学) > 総記・論集
シリーズ 古典研究会叢書 
古典研究会叢書  > 漢籍之部
出版年月日 2019/05/21
ISBN 9784762911965
判型・ページ数 B5・304ページ
定価 13,200円(本体12,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

第三期 刊行の辞 (米山寅太郎)


昌黎先生集目次

凡例

昌黎先生集 本文影印(静嘉堂文庫所蔵宋版『昌黎先生集』を約77%で影印収録。)


解 題 (佐 藤 保)

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内容説明

【「解題」より】(抜粋)      

本書は、南宋・方崧卿校訂の唐・韓愈の詩文集、『昌黎先生集』四十巻・『外集』一巻・『付録』五巻・『増攷年譜』一巻のうち、『昌黎先生集』四十巻の残十巻である。現在、日本・静嘉堂文庫に蔵する。

方崧卿には、『昌黎先生集』とは一対になる『韓集擧正』十巻・『外集擧正』一巻・『韓集擧正敍録』一巻があり、宋版の原刻本がいま日本・財団法人大倉文化財団(大倉集古館)に蔵され、我が国の重要文化財に指定されている(古典研究会叢書第三期第三十九巻に収録)。

方崧卿撰『韓集擧正』は、大倉集古館本の解題に記したように、方崧卿が「韓愈集の諸本を校合して『昌黎先生集』を作る際の諸本間の異同と校訂の結果をまとめたもの」で、巻末には「淳熙己酉二月朔日」の日付がある方崧卿自らの跋文を付す。淳熙己酉は孝宗の淳熙十六年(一一八九)に当たり、南安軍在任の最後の年である。

この方跋は、明らかに韓愈集の校訂作業と作業の具体的な根拠を示すために擧正を作ることを述べたものであり、その点に異論の入る余地はない。だが問題は、跋文冒頭の「右昌黎先生集四十巻云々」という書き出しから容易に理解できるように、この跋文は実はもと昌黎先生集のために書かれたものであって、それが『韓集擧正』の跋に流用されたと考えられることである。……思うに、このような流用を可能にしたのは、とりもなおさず『昌黎先生集』と『韓集擧正』が、ともに南安軍で刊行されたこと、そしてまた両書はほぼ同時に刊行されたことに由ると考えられるのである。両書の緊密な関連性は、いま静嘉堂文庫本のどこにも方崧卿の名を見出せないものの、『韓集擧正』でこと細かに示されている方崧卿の校訂の結果が静嘉堂文庫本にはほぼ忠実に写されていて、抄補の多い残本ではあるものの、紛れもなく方崧卿校訂本『昌黎先生集』の一部であると断定することができるのである。ともにすっきりとした美しい字体であること、刻工も鄧鼎・蔡和・胡元の三名が重複すること、版式がまったく同じであることなど、両書は幾つかの特徴を共有し、他に存在を見ない貴重な宋原刻本である。

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