目次
『石城遺宝』訳注 …… 野口善敬・廣田宗玄
石城遺宝叙
虚堂愚禅師虎丘十詠
剣池/生公台/花雨亭/千人坐/点頭石/憨憨泉/試剣石/呉王家/白蓮池/小呉軒
虎丘十詠跋
跋虎丘十詠 法雲/仝 虚谷/仝 妙坦/仝 浄日/仝 云宙(雲岫)/仝 道洵/仝 祖誾/仝 寿永/仝 法塞/仝 如芝/仝 仁叔/仝 石隠/仝 雪谷
呑碧楼記
石城山呑碧楼記 来復
呑碧楼題詠
寄題呑碧楼 南堂遺老清欲/又 西斎道人梵琦/又二首 呉山老樵良琦/又 雪山文信/又 四明祖闡/又 会稽克勤/又 姑蘇王幼倩/又 四明朱本/又 四明詹鈺/又 冨春守仁/又 蔣山清曇/又 真如海寿/又 長楽良中/又 冷泉仲謙/又 遠江良佐/又 茅関啓諸/又 河南陸仁/又 丹崖崇忠/又 牛頭山省吾/又 豫章竹庵懐渭/又二首并序 双桂惟肖/題鎮西石城呑碧楼写呈堂上月堂和尚尊前 四明閑衲永璵/次韻 水月老人宗規/仝 龍安山人徳見/仝 南禅老拙士曇/仝 建長老拙善玖/仝 東福祖禅/仝 横岳宗冑/仝 臨川周皓/仝 崇福本鞏/仝 慈受祖裔/仝 金峰宗柱/仝 西都宗丘/仝 関東周及
無我省吾関係偈頌
知足軒歌 楚石/為規長老作月堂歌 楚俊/心華室銘 楚石/同銘贈吾蔵主 南堂遺老清欲/本来軒歌 楚石/無我銘 楚石/同銘 南堂遺老清欲/無我号 恕中無慍/同号 古林清茂/送日本吾蔵主礼虚堂師祖塔 月江正印/次韻 南堂清欲/仝 楚石梵琦/送中天竺吾蔵司還日本 楚石/送吾長老帰日本 季潭宗泐/用無我禅師山居韻五首 楚石梵琦/無方応禅師住筑州旌忠顕孝禅寺山門疏 絶海中津/無方号 古林清茂
《附》
石城山宗系略図
南浦明禅師/月堂規禅師/象外越禅師/無我吾禅師/無方応禅師/岳雲丘禅師/石隠璵禅師/恒中立禅師
遺宝集中諸師略伝
法雲/虚谷/妙坦/浄日/云宙(雲岫)/道洵/祖誾/寿永/法塞/如芝/仁叔/石隠/雪谷/来復/南堂/楚石/良琦/文信/祖闡/克勤/王幼倩/朱本/詹鈺/守仁/清曇/海寿/良中/仲謙/良佐/啓諸/陸仁/崇忠/省吾/懐渭/惟肖/永璵/宗規/徳見/士曇/善玖/祖禅/宗冑/周皓/本鞏/祖裔/宗柱/宗丘/周及/明極/古林/恕中/月江/季潭/絶海/笑翁/約翁/大蔭
跋 文
石城遺宝什物之写 不載石城遺宝分
石城遺宝拾遺
大応国師像讃 今存于山 明極楚俊/月堂和尚像賛 今存山 南堂清欲/月堂和尚像賛 今存于山 石室善玖/無方応和尚自賛/無涯亮倪和尚自賛/鼎巌銘禅師讃 絶海/謝冬節後版秉払上堂/陽伯収和尚自賛/無方住顕孝山門疏 絶海/無方応禅師略伝/礼部員外郎陳氏台山敬居士之行実/石城山妙楽円満禅寺塔頭
《解 説》《法系図》 …… 廣田宗玄
あとがき ……………………… 野口善敬
内容説明
【あとがき より】(抜粋)
『石城遺宝』は、特定個人の詩文を集めた別集ではなく、数多くの禅僧の作品を集めた総集の類であるが、墨蹟として残された原書、もしくはその写しを底本として編纂された書物である。その意味では原形をとどめた資料集としての価値を備えていると言えよう。この『石城遺宝』の内容は、簡単に言えば、文字通り石城山妙楽寺の遺宝集、それも妙楽寺に什物として昔、所蔵されていた墨蹟について、その文章を蒐集整理したものである。この訳注書の序文や解説に縷々述べられているように、これらの墨蹟は、現在は散逸して寺には一点も残されていないが、曾て妙楽寺が禅門において如何に重要な位置占めていたかを物語る資料集となっている。収載された詩文のうち、妙楽寺の開山月堂宗規の法祖に当たる虚堂智愚の「虎丘十詠」と、諸師によるその跋文は、応燈関に連なる日本臨済禅における至宝の一つと言っても過言ではない。無我省吾が元末明初期に活躍した中国の禅僧たちから得た十七点の詩偈や銘文は、当時、中国へ渡った日本僧がいかに諸方を遍歴して修業を積み、名刹の高僧と交流を深めていたか、その事実を証明している。同時期に日本から入元・入明した禅僧は数多いが、彼らは中国で入手した法語や詩偈などの墨蹟を大切に日本に持ち帰っている。無我と同様、古林清茂や了菴清欲の書を得て帰朝した無夢一清(一二九四~一三六八)は、将来した墨蹟のうち九点が現存しているが、その点、無我の場合、十七点のうち楚石梵琦「心華室銘」(重要文化財・永青文庫蔵)の一点しか残されていない。
【凡例より】
○本書の底本は、福岡市博多区御供所町妙楽寺所蔵の元禄十三年版『石城遺宝』復刻本を使用した。
○『石城遺宝』から漏れた賛などをまとめた「石宝遺宝拾遺」ほか、『虎丘十詠』の跋文・「呑碧楼題詠」・ 「無我省吾関係偈頌」も一章として取り扱い、これらに「解説」と「法系図」も追加した。
○訳注の内容は、「原文」「書き下し文」「口語訳」「語注」の順とした。