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『海上花列伝』語彙例釈

『海上花列伝』語彙例釈

◎呉語研究の第一人者による詳細な用例と解説。呉語研究・近世語研究者必携書!

著者 宮田 一郎
ジャンル 中国古典(文学)
中国古典(文学) > 明清
中国語学・音韻
中国語学・音韻 > 中国
出版年月日 2016/05/09
ISBN 9784762936319
判型・ページ数 A5・1300ページ
定価 22,000円(本体20,000円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

【主要目次】

はしがき/目次/凡例

本文(『海上花列伝』語彙例釈)/語彙索引(本書所掲見出語一覧)

参考・文献一覧/あとがき(瀬戸口律子)

【引例作品一覧】

海上花列伝/禅真逸史/初刻伯案驚奇/二刻伯案驚奇/二刻醒生恒言/二十年目睹之怪現状/負曝閑談/鼓掌絶塵/官場維新記/官場現形記/海上繁華夢/海天鴻雪記/何典/紅楼夢/滬江風月伝/滬語便商一名上海語/活地獄/警世通言/九尾亀/九尾亀続集/九尾狐/描金鳳/孽海花(増訂本)/人間地獄/儒林外史/三笑/三笑新編/殺狗記/商界現形記/十尾亀/市声/水滸全伝/蘇州歌謡諺語/檮杌萃編/文明小史/呉歌・呉歌小史/西遊記/歇浦潮/新上海/型世言/醒世恒言/喩世明言

【「あとがき」(大東文化大学教授 瀬戸口律子)より】(抜粋)

 『海上花列伝』は松江の人韓子雲、本名韓邦慶(1856〜1894年)によって著された清末の長編小説である。物語の舞台は清末の上海の花街であり、そこで繰り広げられる人間模様と人々の生活が活写されている。当時の世相と社会風俗を描いた作品として広く知られ、日本では太田辰夫氏の翻訳本が1969年に出版された。著名な作家張愛玲(1920〜1995)による英語版も1975年完成出版されている。

 先生の今回の大作は、『海上花列伝語彙索引』(龍渓書舎、1981年)を題材としている。語彙の選出、その解釈及び例釈は、先生の深い学識と、長い年月をかけた研究成果の結晶である。呉語研究を志す研究者にとって必要不可欠な書物であることは言うまでもない。呉語以外の諸方言を研究テーマとする人や方言と共通語の比較研究を行う人にとっても、方言語彙の広がりを学ぶ上で貴重な参考資料となる。つまり本書は呉語研究用としての利用に止まらず、近世語研究の上でも大いに役立つ一冊である。

【「凡例」より】(抜粋)

 この書は《海上花列伝》の対話文に用いられている語の解説を試みたものである。版本は『海上花列伝』(中国小説史料叢書、1982、人民文学出版社、北京)によっているが、必要に応じて『古本小説集成』(上海古籍出版社)に収める1894年石印本初刊本影印、台北天一出版社の上海亞東図書館排印本の影印を参照した。対話文中あきらかに「官話」を話しているものは対象から外しているが、「蘇白」の中の文語、文語的成分は、収めている。

 語意および語の用法についての説明は、理解の糸口を与える程度のもので、他の文学作品における用例を多く挙げて、そこから理解を深め、広げてゆくのに資するようにした。「蘇白」における用例をなるべく多くし、「官話」における用例も、同時代のもののほか、さかのぼって、明清文学作品全体に及ぶようにつとめた。部に民初にわたるものもある。

 なお、《海上花列伝》は上海を舞台としており、その「蘇白」は当時の上海のある階層や社交の場で話されていたものであり、上海語の指示詞なども混入している。なんらかの参考になるかと思い、同時代の上海語テキストに見られる用例も加えた。

 

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