目次
花の下連歌など
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磐白の松――歌枕から寄合へ――
賦物について
「一人見て」という表現
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『菟玖波集』付句の当座性について
「立ち水」「伏し水」について
『光源氏一部連歌寄合』索引稿
『万葉詞』寄合索引稿
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心 敬――仏道と和歌・連歌――
永正六年の宗長の旅
連歌師宗養所有の不動産について
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宗長連歌資料二種
資料紹介
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あとがき
索 引 (連歌・和歌・人名・書名・研究書研究者)
内容説明
連歌研究の分野は多岐に亙るが、本書はそれらについて様々な角度から探求し、また、連歌という極めて独特な様式を持つ文芸を通じて、日本文化史の一側面をも明らかにするものである。 初めに、連歌師の生活・花の下連歌などでは、職業人としての連歌師とその活動について論じる。続く磐白の松・賦物について・「一人見て」という表現では、連歌賦詠についての様々な規則や慣例、寄合の成立、賦物の実態、表現上の約束事などを実例に即して検討した。『菟玖波集』付句の当座性について・「立ち水」「伏し水」についてでは、二条良基とその周辺のことどもを調べ、また、良基のもとで源氏と万葉からの寄合書が作成されたことを論じ、あわせて実用的な索引の作成を試みた(『光源氏一部連歌寄合』索引稿・『万葉詞』寄合索引稿)。心敬・永正六年の宗長の旅・連歌師宗養所有の不動産についてでは、心敬、宗長、宗養の伝記の一面を史料に基づき検証する。最後に、宗長連歌資料二種・資料紹介では家蔵の連歌資料を影印し、翻刻を添えて考証を施した。連歌切の研究は、今後の連歌研究に大きな意味を持つことが期待される。