内容説明
(3)大般若経音義中巻〔石山寺蔵〕一巻重要文化財奈良時代末期の学僧元興寺信行の撰。 大般若波羅密多経六百巻についての音義であるが、 本書は巻子本一巻の残巻で、 平安初期の書写に係り、 中巻の後半を存する。 中に万葉仮名の和訓注を含む。 戦後修理が施され、 その結果、 戦前の影印本には見えない本文の和訓二、 三が新たに知られた。 解説(築島裕)・索引 (沼本克明) を附す。〔来迎院如来蔵〕一巻重要文化財同じく信行の撰、院政時代の写本で、 巻子本一巻、 「梵字真言書」 の紙背に記されたもので、 中巻の一部を存し、 石山寺本に存しない部分がある。 近時始めて知られたもので、 今回が最初の影印。 解説・索引共に石山寺本と同じ。大般若経字抄一帖 石山寺蔵 重要文化財藤原公任(966-1041) の撰。 大般若経の音義であるが、 信行撰述の本に比べると、 その注文は字音和訓とも著しく和風化しており片仮名注を多く用いている。 解説及び漢字・音訓索引 (沼本克明) を附す。